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台北花博に行こう!

2010年秋 台北花博への道(個人的旅行記録)

その2・前半戦(11/6-11/7)

その1(前史)  その3(後半戦)
台日観光交流年

  今日の晩には海外だというのに、朝から仕事が盛りだくさん。
  久しぶりに本気を出して、なんとか午前中に処理を終え、無事帰宅。
  家でちょっとホッとしてから、乗り合いタクシーで関空へ。
  関空からはあっという間の2時間半、近くて近い国台湾に到着です。

  なんとか宿にたどりつき、テレビをつけるとさっそく台北花博のCMが。
  これも決して派手ではなく、むしろ大人しい感じのもの。
  逆に明日からの花博への期待が高まってきたのでした。

(2010年11月訪問、掲載)

Step7 2010/11/5 いざ台北へ!
 自宅から関空まではMKの乗り合いタクシー(MKスカイゲイトシャトル)で。と、どうも同じ時間に出発の人がいないらしく、今回は一人のみ。関空についても、確かにお客さんが本当にいない…。まあ、関空発の多くの便は午前中や深夜に偏っているので、たまたま端境期だったと理解しましょう。
 台湾は桃園空港に無事到着。ところが、いきなり海宝のマスコットがドーンと置かれていた上海と比べると、空港には決して花博のマスコットなどがこれ見よがしには置かれていないのです。いくつかのバナー(それも地味)と入国管理局の電光掲示板に"Welcome to Intl. Flora Expo!"と出てくるぐらいで、花博花博してはいません。飛行機を降りた時から上海万博だった上海とは大きな違いです。まあ、それだけ先進国の余裕があるのかなとも思います。
 リムジンバス(と路線バスを2で割ったようなバス)を使って台北へ。無事、予定通りの場所で下車し、ホテルへ。途中には台湾ならではの雰囲気ある夜市も。いよいよ台湾訪問と花博開幕が来てしまったなあという思いを強くしつつ、明日に向けて就寝と相成ったのでした。
4時半過ぎという中途半端な時間とはいえ、関空はあまりにも空いている。ストレスは少なくてよいのだが、関西退潮を見せつけられるようで複雑な気分。 ウェブチェックイン/全て持ち込み荷物のため直接、手荷物検査場へ。待ち時間なし。出国審査も窓口一つなれど、待ち時間なし。ウィングシャトルもひとりぼっち。 とはいえ、飛行機はさすがにほぼ満席。現地に夜到着のためか、日本人よりはむしろ台湾人の方が多かった気も。見た目では分かりにくいが。
地図とにらめっこでなんとかホテル近くでの下車に成功。「大有バス」は安いため、桃園市内は各駅停車。庶民の生活が垣間見えて逆に面白かった。 雨の中、なんとかホテルへたどり着いたところ「花博特約旅館」の掲示がお出迎え。いよいよ明日から花博開幕、僕もそこに行くんだなということを再認識。 無事ホテルへ到着。一番ほっとする瞬間。新しくはないが十分に広い。ちなみにベッドはダブルではなく単にシングルを2つくっつけただけで、結構使いづらい。

Step8 2010/11/6 台北花博1日目・前半
 何が悪かったのか、突然睡眠中に足がつるという事態に遭遇。湿布を持ってきていないのに、なんでこんな時になるのかとちょっと恨んでみたり。なんとなく違和感を感じる足を引きづりつつ台北花博会場へ。宿泊していたホテルから「美術公園入口」までは徒歩で5分弱。いろいろと調べただけあって、アクセスはばっちりです。
 台北花博は「悠遊カードで入れる」と聞いていたため、早朝、散歩を兼ねて地下鉄駅まで行き、悠遊カードにチャージして用意。ところが、この日の機械の調子が悪かったのか、美術公園ゲートはあまりにも小さいためダメだったのか、「このカードでは入れないので入場券を買って」とのこと。こちらも良く分からないので、とにかく入場券購入の列へ。この日は明らかに入場券売り場が慣れておらず、多少混乱はしたのですが、5分もしないうちに購入・入場できました。上海万博のように荷物検査やボディーチェックもなく、多少拍子抜けです。
 まずは混みそうな新生三館(夢想館、未来館、天使生活館)を目指そうと、美術公園区からえんえん歩いて新生公園区へ。まずは、近場に合った夢想劇場を30分程度並んで鑑賞。その後は未来館→天使生活館と見学。夢想館本体は予約券がいるとのことなので、予約券配布場所を探すにも見つからず、ボランティアさんに英語で話し始めたところ、「ちょっと待って」と言われて日本語がしゃべれる人を連れて来てくれました。で、無事配布場所にたどり着き、予約時間を見たところ20時半。今日は朝から晩まで1日中、花博にいることが決定しました。
 台湾美食区で食事の後は、また歩いて大佳河濱公園区へ。観客よりもボランティアの方が多い…。上海万博浦西会場を彷彿とさせます。基隆河と圓山大飯店を借景に、花壇や特徴的なオブジェが広々と配置されており、のんびりとした気分を味わうには最適です。そして、大佳ゲートの正面には、大きく"TAIPEI INT'L FLORA EXPO"というオブジェと万国旗が。上海万博とは旗の数も違うけど、台湾は今日やっと、長年の悲願だった国際博覧会を開くことができたんだなと、感慨深いものも感じたのです。
初日の午前8時50分(開場10分前)でこの程度。並んでいたの人も20人たらず(日本人はいた)。美術公園ゲートはやはり穴場。報道陣も1組来ていただけ。 チケット売り場も窓口2つだけ。初日は係員も観客も慣れておらず、多少混乱。ただ、混乱は初日だけだったようで、翌日はスムーズに購入できたのでご安心を。 夢想館本体と間違えて夢想劇場に並ぶ。でも、これはこれでなかなか素敵な、台湾クオリティのクレイアニメ。最初に見るものとしては悪くなかったかなと。
未来館(巨大温室)の入場状況。争艶館にもほぼ同じものが設置。ハイテク&公開国家の面目躍如。意外と一気に減ったり増えたりするのが楽しい。 未来館の入り口オブジェクト。透明パイプの一つ一つに花や種や葉っぱが閉じ込められている。なんとなく上海万博のイギリス館を想像してしまったり…。 天使生活館のアテンダントさんは、ハスの実を目印の代わりにつかっている。これが暗い館内でなかなか印象的。かわいすぎず、硬すぎず、絶妙な美的センス。
天使生活館の屋上から台北101を望む。雲と霧の中にかすんでいた。さすがにこの状況で展望台に行っても仕方ないなあと、今回の訪問は断念。 台湾美食区でビーフンと魚つみれスープ(総合魚丸湯)。どこかの名物料理?いずれも40元で、結構ボリュームあり。台湾料理は日本人の口にも良く合う。 台湾にとっては悲願の国際博覧会開催。開会日は残念ながら雨になってしまったけれど、ここから新しい歴史がまた刻まれていくのだろう。

Step9 2010/11/6 台北花博1日目・後半
 大佳河濱公園区からシャトルバスで一気に花博の中心的会場・圓山公園区へ。流行館を覗いてみたところ「今日は歓迎式典で使うので見れないよ」とのこと。仕方ないのであきらめて、予約券を受け取りに、名人館→真相館→故事館へと。ところが、名人館の予約時間は、夢想館とどんかぶり。大したことないと思っていた故事館は「本日終了」。一方で取りにくいと思っていた真相館があっさりと取れてしまうなど、かなり想定の範囲外。さらに美術館を抜けるには一旦手にスタンプを押してもらう必要があるなど、台北花博にもいろいろと留意事項が多いなあと実感。まあ、HPのネタにはなるのですが。
 その後、争艶館で国際フラワーショーを見学。さすがに選りすぐりの作品が多く、高レベル。あれだけ花が溢れていると、いかにも花博という感じがします。日本からの出展も多く、ちょっと嬉しかったり。文化館を見終わった頃にはだいぶ夜もくれてきました。文化館2階の東屋のようなところで、お茶を飲みつつ、松山空港に降りていく飛行機を眺めつつ、ゆっくりとお休み。こういうくつろぎスペースが意外とあるのが、台北花博の良いところです。
 夜は舞蝶館でショーを見た後、夢想館(本体)へ。さすがに台北花博一押しのパビリオン。台湾のハイテク技術が随所につかわれていました。できれば、日本語の解説を読みながら、もうちょっとゆっくり見たかったところ。見終わって出てくると、どんどんと花火の音が。ところが、夢想館からは雲か煙かがかかって全く見えず。いまさら大佳河濱公園に戻る元気も、それだけの時間もなかったため、この日はあっさりとホテルへ帰還と相成ったのでした。(見えない花火は話題になったようですね…。)
とりにくいと思われた真相館の予約券は簡単にゲット。1回あたりの入場人数の差のよう。文化館を越え、ここまでたどり着くのが意外と面倒くさい。 逆に意外だったのが、全く注意していなかった故事館。古い建築物であり、1回あたりの入場者数が限定されているため、早い時間に無くなってしまった模様。 サッカー場のスタンドをそのまま使った「花の虹/七道綾虹」。1階部分はお土産店や迷子センターなど。台北花博、既存施設の活用方法がなかなか巧み。
争艶館の一番奥のスペースに小さなステージがあり、日本語の曲に合わせて日本舞踊が行われていた。出展者も日本からが多く、台湾とのつながりを感じる。 一度食べてみたかった嘉義鶏肉飯を賞味。50元(約150円)。鶏肉の量は少なかったが、たれがさっぱりとした味付けで大変おいしかった。次はぜひ本場で。 昨夜つった左足が本調子でないため、休み休み会場めぐり。文化館の屋上で休んでいるとどんどん飛行機が降りてくる。これは中華航空(チャイナ・エアライン)。
すっかり夜。圓山大飯店や流行館(エコアーク)は綺麗にライトアップ。美術館の窓(?)の照明がなんとなく檳榔店の照明っぽいのは、気のせい? 夢想館2階からは花火は全く見えず。時折、明るくなったり暗くなったりで花火ということは分かるのだけど…。でも、公園にいてもよく見えなかった模様。 初日21:22現在の入場者は38,899人。(公式発表は38,914人。)こうして、台湾の歴史に残る、台北花博正式オープン初日は過ぎていったのでありました。


Step10 2010/11/7 台北花博2日目
 今日はとにかく、昨日見逃した名人館、故事館、そして昨日は開館していなかった流行館を見学するのが課題。となると、一番厳しそうなのは流行館。圓山ゲートに陣取って、流行館を攻略し、あとは故事館→名人館と回ろうと考えていました。ところが、朝から台北市内をうろちょろしていたせいで、ホテルに戻ったのは8時半過ぎ…。今日も仕方なく美術公園ゲートからの入場となりました。
 美術公園ゲートから、まずは一目散に流行館へ。ところが、どう見てもやっていない。ちょっとのぞいてみたところ、明らかに撤去作業中であり、パビリオン内には何もありません。仕方ないので、他のパビリオンへ。名人館・故事館ともに待ち時間ゼロ。そして、美術館をざっと見てから、シャトルバスで新生公園区に移動。養生館をみて、これで未開館の流行館を除き、全パビリオンの見学が完了しました。
 ということで、一応課題は達成(?)したため、その後はのんびりと写真を撮ったり、迷宮花園にチャレンジしてみたり、お土産屋さんを覗いてみたり。もうちょっと花博会場に居てもよかったのですが、たった丸2日間だけの台北旅行、せっかくなのでちょっと違ったところにも足を延ばしてみるかなと、花博は2時半ごろに切り上げたのでした。
「ばらし中」といった感じの流行館内部。なじみのある光景だが(笑)、パビリオンとしてはちょっとびっくり。この後、内部がのぞけないようにロープが張られた。 美術館近くのステージで踊っていた子ども達。レベルは色々。観客は親か関係者の模様。みんな、次代のS.H.E.などを目指しているのかな。 早めに台湾美食街で排肉飯の食事。これは100元なので、ちょっと高めといえば高めだが、ちゃんとその場で揚げており、身のしまった豚肉も美味しい。
花、チューリップ型の小屋、圓山大飯店ということで、花博らしいかなと思って撮影。実際、開幕翌日の日本の新聞にはこのアングルの写真がのった模様。 花博の音といえば、やはり飛行機の着陸音。未来館前でANAの767(NH1185便)を撮影。羽田・松山便だと、着陸前に花博会場が良く見えるのだろう。 シャトルバスの車内。忠孝の国のため、高齢者には皆席を譲る。バスの本数も多いが乗る人も多く、概ねこれぐらいの乗車数(数名座れない程度)であった。
上海からの出展。この花博、上海万博協力への見返り的な部分もあったとかなかったとか。ともあれ、人々の思惑は別にして、花は美しく咲き誇っている。 舞蝶館にて、「白百合の恋」の舞台セットを、明るい中、改めて確認。あそこがこうなって、あそことあそこがこう繋がって…と頭の中でシミュレーションしてみたり。 歩き疲れたのもあり、午後2時半過ぎに退場。1日半で概ね全てのパビリオンを回ることができた。今度はゆっくりと花を楽しみたいなと思いつつ、会場を後に。

→お時間のある方は、その2 番外編(台北花博以外) へ。

Step11 2010/11/8 龍山寺 花博の原点
 今回は週末+有給1日の短期決戦だったため、もう帰国日。午後便とはいえ12時半発のため、ホテルを9時過ぎには出ないといけません。とても観光はできないだろうなと思っていたのです。ところが、ガイドブックをよくよく見てみると、台湾で最も有名な古寺の一つ、龍山寺は朝6時から入場可能とのこと。この龍山寺、例の「台灣的心跳聲」でも「龍山寺的老牆(龍山寺の古い壁)」として出てきており、ぜひ行ってみたかったスポットの一つ。朝からMRTに乗り、行ってきました。
 と、入り口の看板は何と電光掲示板。「歓迎光臨」とピカピカと光ったり、日本のお寺の常識とはかなり違います。「どんなもんかなー」と思い入ってみると、全員で読経中。高齢者が大半なものの、中には出勤前に来たようなスーツ姿の男性や若い女の子も。みんな真剣に祈りをささげています。その姿に、ちょっと圧倒されました。祈りの場というのは外観ではない。紙パイプの教会も、何にもない空き地のようなウタキも、狭い自室の中でも、祈りの場となりうる。そんなことをちょっと思い出したりしました。
 廟の前にはお供えされた大量の花が。みんな、神様にさまざまなな望みをお願いし、それが叶ったことを感謝して、こうして花を捧げているのでしょう。台湾の人々の生活に花というものが密着していることを感じさせられます。古いお寺の前に、たくさんの思いが込められた、美しくも儚い花々が連なる光景。帰国の日の朝、ここ台湾・台北で花博が開催されたことの原点をちょっとだけ分かったような気がしつつ、台湾を後にしたのでした。
MRT龍山寺から歩いてすぐ。早朝でなければ地下商店街を歩けばよい模様。寺の西側一帯には多少、雰囲気が悪い(朝から妙な呼び込みをされる)場所も…。 龍山寺午前8時。僧衣というか法服を着ている人も大半は参拝者で、家から持ってきている模様。読経が終わると、脱いで自分の鞄にしまっていた。 廟の裏手で花をセットする人々。仕事なのか、あるいは参拝者が家から持ってきた花をセットし直しているのかは不明。とにかく次々と持ち込まれていく。
「答謝」と書かれたものがいくつかあったのが、何か願いがかなったということだろうか。台湾が世界有数の蘭の産地であることも、改めて実感。 空港にないと思っていた花博マスコットのオブジェ。到着階でも出発階でもない2階にあった。せっかくだから分かりやすい場所に置いてあげてほしい…。 帰国便。今回はひさびさのビジネスクラス。2時間半では若干慌ただしいものの、久々においしい機内食を賞味。さよなら台湾、また来るね!

その1・前史

その3・後半戦



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