対馬壱岐国境紀行3日目(9月22日)

ルート

厳原市街−(以下、原付)−★お船江跡・★豆酘崎・★美女塚・★鮎もどし自然公園・◎韓国料理店でメウンタン定食・★万松院−厳原港―(九州郵船)―郷ノ浦港〔壱岐〕―(宿の送迎)―印通寺港(旅館網元泊)
※凡例: ★入場・体験観光 △外観観光 ◎食事

写真など

西山寺YH 西山寺本堂 西山寺YH客室
厳原での泊まりは対馬西山寺YH。ただ、ユースとはいえ、楽天トラベル経由で、個室利用。時代は変わったものである。禅寺のため、掃除も行きとどいている。 YH部分は新しいが、本堂などは相当古く、由緒が感じられる。もともと幕府の対馬出張所(というか、朝鮮との外交公館)的な役割を果たしてきたらしい。 宿泊した部屋は完全な和室。由緒ありげな額も飾ってある。ちなみに、この部屋で富山の友人と携帯で話をしており、「富山県7泊6日の旅」の伏線がここにある。
西山寺から厳原市街 お船江跡 豆酘崎への道
寺は切り立った崖に階段状に建っており、この石庭も本堂より一段低いところに作られている。厳原のシンボル立亀岩がここからも見える。 今日は厳原から一路南へ。対馬藩のドック跡である「お船江」。完全に残っているものは全国でもめずらしいそう。歴史サークルなのか、大学生の団体がいた。 豆酘崎(つつざき)へは、車1台がやっと通れるような道を、登ったり降りたり。道中、集落も下のほうにぽつぽつ出てくる程度。雄大なドライブが楽しめる。
豆酘崎灯台 港に帰っていく漁船 豆酘の街
ようやく豆酘崎灯台にたどり着く。豆酘のまちからここに入っていくのに、案内が「尾崎山公園」とだけ書いてあり、一瞬戸惑った。対馬は概して観光客にやさしくない。 豆酘崎の先には岩礁があるが、その間は通れるようで漁船が2台通って行った。ちなみに、この下はとんでもない崖だが、船で来たのか、釣り客が何名かいた。 豆酘の街は小学校や郵便局もある島南部の中心地。とはいえ、小さな小さな漁村で、晩夏の物憂げな雰囲気が似合う素敵な町であった。今度は泊まってみたい。
鮎戻し自然公園 内山集落を望む 韓国人観光客
対馬の人に結構勧められた観光地である鮎戻し自然公園。確かに、花崗岩の一枚岩の中を流れていく渓流はいい景色だが…。まあ、それだけ。 本当は椎根や小茂田神社に行きたかったが、時間に追われるのも嫌なので、内山経由で厳原に戻る。内山をすぎたところにあるアカハラダカ観測所から撮影。 昼間の厳原には、韓国人観光客がたくさん。百円ショップの店員も韓国語で対応。それでも、支払いを済ませる前に商品の包装を外している韓国人を見掛けた。
メウンタン 万松院山門 百雁木
新鮮な海の幸ばかり続いたので、趣向を変えて、厳原で本場(?)韓国料理を堪能。メウンタン(辛い魚介類のスープ)を頂く。これは非常においしかった。 最後に、対馬の定番でもある万松院へ。ここでも、狭いお土産スペースに韓国人が大挙していた。この山門は対馬でもっとも古い木造建築物であるとのこと。 百雁木といわれる墓所への道。団体観光客はいなかったので、落ち着いて登ることができた。123段あるとのことだが、羽黒山の参道に比べれば20分の1程度。
宗家墓所 ニューちくし さよなら対馬
日本三大墓所の一つ、宗家墓所。他は、前田家(石川県)と毛利家(山口県)らしい。米沢の上杉家御廟所も立派だったが、純粋な墓地とは違うのかもしれない。 壱岐までは安価なフェリーで。お金を浮かせて、壱岐でアワビの踊り食い。クラブツーリズムの一人旅ツアーの人々と一緒になった。普通のツアーとは違う雰囲気。 さらば対馬。10年20年先に訪れて、変わっているであろう韓国人の受け入れ態勢と、変わらないであろう大自然を、ぜひこの目で確かめたいと思う。
平べったい島へ 旅館網元 歓迎 磯部様
船からみた壱岐。話には聞いていたが、対馬とは全く異なり、本当に平べったい島。対馬では原付のパワー不足に苦労したが、ここはそんなこともなさそう。 今日のお泊まりは印通寺港の旅館網元。玄界灘の海の幸いっぱいのコース+アワビの踊り食いを頼んでおいた。アワビは刺身もうまいが、焼いたのもまた格別。 2組しか書いていないが、工事関係者がたくさん泊まっていた。田舎は工事関係者でもっている民宿・旅館が多く、公共事業削減の難しさに思いをはせる。



番外編:対馬と壱岐を比べてみた

 今回の旅は、対馬3日、壱岐1日の併せて4日の旅でした。関西や関東からは、「壱岐対馬」とひとまとめにして、一緒に訪れることも多いと思います。
 ですが、この両島、大きさも、受ける印象も、車の数も、信号の数も、全然違います。この2島を簡単に比較してみました。

 
対 馬 壱 岐
大きさ 約700平方キロ 約134平方キロ
最高標高 648メートル 213メートル
細長い。リアス式海岸で複雑 ほぼ真四角。それほど複雑でない
人口 3万6千人 3万人
人口密度 約50人/平方キロ 約220人/平方キロ

 まとめてびっくりしましたが、直観的な印象としては、もっともっと差のある感じです。対馬は各村(というか浦)ごとの集積度は高いため、統計にするとこうなってしまうのかもしれません。

 壱岐はアップダウンの少ない平べったい島で、対馬は山ばかりというかほぼ山の中。壱岐は至る所に人が住んでいるが、対馬では延々と広がる無人地帯。対馬は韓国人も多くハングルが溢れており、国際港もあり、国境の島という雰囲気があるが、壱岐にはそんな雰囲気は全くなく、博多の奥座敷といった感じ。対馬は(厳原以外では)食事するところを探すのにも苦労するが、壱岐は観光客相手のお店もたくさんあり、ダイエーまである。
 人の気風も、どちらかといえば取っつきにくく純朴そうな対馬の人に比べ、壱岐の方は観光客慣れしているというか言葉数の多い感じです。壱岐市観光協会のHP対馬観光物産協会のHPを比べても、どちらが垢ぬけているか一目瞭然です。ただ、事前の観光パンフレット請求などで非常に親切に対応してくださったのは対馬の方だったりします。
 正直、こんなに違うとは思っていませんでした。

 どちらが良いとは一概にいえませんか、「もし1日だけであるならば、見所がコンパクトにまとまっており、道も良く整備されている壱岐へ」「もし数日間とれるならば、壮大な自然が楽しめ、物価も安く、国境の島の雰囲気を味わえる対馬へ」とは言えそうです。

 ちなみに、陸の雰囲気は違っても、きれいな海はどちらも一緒。どちらの島でも新鮮な魚介類がお得に楽しめることはうけあいです。


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