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ペルー・ボリビア23日間 近くて遠くて地球紀行
9日目(10月9日)「天国に一番近い湖、本当に。」

ルート
プーノ・Hotel Balsa Inn−(送迎)―★チチカカ湖観光(ウロス島・タキーレ島)−(送迎)−プーノ・Hotel Balsa Inn泊

※凡例: ★入場・体験観光 △外観観光 ◎食事


写真など

ウロス島へ 青空解説 簡単に切り分けられます
チチカカ湖に浮かぶ島ウロス島・タキーレ島へ。プーノの桟橋から船に乗って約30分でウロス島に到着。この島(?)、トトラという芦(アシ)で出来ている。 島に上陸(?)すると当然足元はほわほわ。不思議な感覚を味わいつつ、ガイドさんによる英語・スペイン語の解説が始まる。ちょっとした青空教室。 この島はアシで出来ているので、仲たがいをしたらのこぎりで2つの島に切りわけることができるらしいです。ガイドさんと島の方の息もばっちりあってます。
素朴な生活 値段交渉中 ソーラーパネル
素朴な生活ですが、多少観光客向けのところもあるのかなと。家のなかにはKEIKO FUJIMORIさんのカレンダーが飾ってあり、人気がうかがい知れました。 このお土産売りの彼女、平日はプーノの高校で英語とスペイン語を習っているとのこと(この日は日曜日)。そのうち、この場所から出ていくことになるのかな…。 太陽電池導入により、各家庭に電化製品やテレビ、携帯電話が入ったそう。技術革新はチチカカ湖の上にまで及んでいます。悪いことではないのですが。
トトラ船 ウロスの島々 子ども達
トトラで作った船「バルサ」。歩き方には2〜3ソルと書いてありましたが、ここでは10ソル。物価から考えると高い気もしましたが、なかなかない機会なので。 1つの区画に1つの遊覧ボートが着いて、青空教室、家の中の説明、お土産販売、バルサ遊覧と一連の流れをこなすシステムのよう。妙にシステマチックです。 子どもたちもチップは貰いに来るものの、ある程度であきらめて遊んでいました。本土の人と比べると島の人々はどことなく恥ずかしがり屋さんな感じです。
タキーレ島へ 湖を進む 天国に一番近い湖
トトラの浮島・ウロス島を離れ、もう一つの観光地タキーレ島へ。約2時間半の船旅。何台もの船が一斉にチチカカ湖の奥深くへ向かって行きます。 ウロス島にいた時はあまり天気が良くなかったのですが、徐々に天候も回復。デッキで風に吹かれるのもなかなか気持ち良いです。台湾の方とお話したり。 チチカカ湖は標高3,890m。汽船が航行する湖としては世界で最も高い場所に位置するそう。雲が低いです。本当に、空と天国に一番近い湖なんだなあと。
タキーレ島到着 遊歩道 空が青い!
タキーレ島に到着。実はこの島、街に入るには桟橋から40分以上山を登らないといけないと聞いており、標高3,900m近い場所で不安の種だったのですが…。 実際に行ってみると、島全体が一方通行になっていて(降りる桟橋と乗る桟橋が別)、登りは全てだらだらとしたスロープ。全然しんどくありませんでした。 そしてこのスロープ、最高の散歩道。何と言っても空が青い。湖が青い。まるで空の中にいるようです。これまで見てきた絶景の中でもかなり上位!
湖が透き通って見える! 広場に到着 展望台、織物工房、直売所
湖を見れば、底が透けて見えるほどの透明度。ちなみに後ほど、帰りの桟橋付近でちょっとなめてみましたけど、やっぱりしょっぱくなくて湖でした(笑)。 道の途中にはお土産を広げている地元の人も。女の子などは1ソルでミサンガを買っていたり。景色を楽しみながらゆっくり上がって、約45分で街の広場に到着。 展望台&織物工房&直売所。直売所はペルーには珍しい定価販売。確かにタキーレの織物は素晴らしかったです。いいものはお値段もそれなりでしたが。
TOKIO 16335 トルーチャのランチ 嵐の予感
広場で見かけた"TOKIO 16335"の表示。地球の直径が約1万3千キロだから、やはりはるばる遠くへ来ているんだなあと。ちなみに冬に行くシドニーは13087。 お食事はやっぱりトルーチャでしたが、これも美味しかったです。島の人の帽子や衣装が、年齢や性別、社会的地位によって変わっていくという話を聞きつつ。 さっきまであんなに晴れていたにも関わらず、突然の雨。湖を見ると、所々に強い雨が降っているのが良く分かります。急いで帰りの桟橋へ駆け降ります。
荒れるチチカカ湖 フロントガラス破壊 ライフジャケット配布
帰りは揺れると言われていたものの、湖とは思えないほどの大きな波と揺れ。湖でもスケールが違うなあなどと思っていたところ、正面からドーンと大きな波が。 突然、フロントガラスが破壊され、大量の水とともに船内に流入。前方の席の女性はもろに被ってしまい、船内はパニック状態。ガイドさんが悠然と先頭に。 ライフジャケット配布。これを本当に必要な場面で付けたのは当然、人生初。個人的には「話が分からないのは嫌だな」と思いつつも、意外と冷静でした。
穴にターフを張る 混乱の後 なんとかプーノへ生還
しばらく波に逆らわずにゆっくり操縦を続け、天候が回復してきたのを見計らって船頭さんがターフで応急処置。これで正面からの風もなくなりました。 私はたまたま左舷側でしたが、右舷側はもろに水をかぶったため大変そうでした。散らかったかばんやライフジャケット、うきわなどが混乱をものがたります。 なんとかプーノへ生還。港には警官なども詰めかけていて、地元でも珍しい事態の様子。乗り合いタクシーに詰め込まれるようにしてホテルに戻りました。
生還に乾杯! ペペレイ ウロス島のタペストリー
ホテルでちょっと気持ちを静めた後、少しだけ高級そうなレストランLa Casonaでお食事を。生還祝して、クスケーニャビールの黒で(心の中で)乾杯! 続いていたものの、プーノはチチカカ湖原産の魚が名物ということで、ペペレイという別の魚をチョイス。これもなかなか味の濃い、美味しいお魚でした。 ウロス島で買ったタペストリーをホテルで広げてみました。他のタペストリーとはちょっと違った生活感のある柄。今日のいろんなチチカカ湖の思い出と一緒に。


旅のメモから

・今日は、チチカカ湖見学。ウロス島というトトラ(芦)で出来た島と、タキーレ島という段々畑と織物で有名な島に行きます。正直、飛ばそうかどうか迷っていた場所ではあるのですが、せっかくここまで来たので、チチカカ湖もちゃんと行きたいなと。実はこの日は日曜日なので、町の観光とかには不都合というのもありましたし。
・ホテルに迎えに来てくれたのはどこの人かよく分からないお兄ちゃん。昨日のガイドさんとは違います。もしかしたら、遊覧船の会社の人なのかもしれません。そのあたり、結構いい加減。ともあれ、無事、桟橋へ。そこでも何の手続きもパンフレットもなく、ただ適当に「順番に乗って」ぐらいな感じ。かなりアバウトです。
・この船のガイドさんは「ちょい悪親父」風な感じの男性。アイマラ族だとか言っていました。英語、スペイン語、アイマラ語ができると言っており、実際、解説も実にスムーズでした。見た目は怖いのですけど、ちょこちょこと観光客に絡んでくれたり、ハーブになる草を摘んでくれたりと、なかなか親切な方でした。(お名前は忘れちゃいました。"Trust me I'm a Doctor"と書かれたTシャツを着ていたので、心の中では「ドクター」と呼んでいましたが(笑)。)
・ウロス島へは約30分。大きな島かと思いきや、小さな島の集合体というのが正しいよう。それぞれに数世帯ごとに暮らしていて、青空教室スペースやら、展望台やら、バルサ船やらを持っており、一艘のボートに対応するというシステムのよう。もはや主要産業が観光なのかもしれませんね。ちょっとそう感じました。でも、奥ゆかしいというか恥ずかしがりやな感じなのは、どこか日本人と似ています。混血のメスティーソの方とはだいぶ違うんですよね。
・家を見せてもらったピンクの服の彼女は、平日はプーノの高校に通い、英語とスペイン語を習っているとのこと。かなり流暢に話してくれました。後で見ていたら、島の人々とガイドさんとの間に入って何か話したりもしていました。こんな風に外国語をもでき、外の世界を知ってしまった子がいつまでもこの島の生活が続けられるのかなあとかちょっと不安にも。
・実際、トトラの浮島といっても太陽光発電により電気が導入されており、テレビもあれば携帯電話も持っているそうで、どんどん近代化も進めば情報も入ってきているわけです。もちろん、それが悪い、いつまでも昔のままであるべきとはとても言えないのだけれど、最終的には観光のためだけの島になってしまうのかなあとか。
・先ほどの彼女が作ったというタペストリーを価格交渉。1枚気になったものが。伝統的な柄ではないものの、1枚の布の中に、バルサ、トトラ、男性、女性、赤ちゃん、コンドル、ピューマ、蛇、家、太陽、猫、トルーチャなど、いろんなモチーフが散らばっていてなかなか楽しいのです。他に出してきたものとは明らかに雰囲気が違ったので、思いのほか高かったものの、つい買ってしまいました。今、自分の部屋の机の横に、断熱効果も狙って掛けてあります。
・さて、ウロス島を離れ、船は一路、タキーレ島へ。あまり下調べをしていなかったのですが、タキーレ島はかなり遠いところにあります。まさしくチチカカ湖クルーズ。天気も徐々に回復してきたので、実に快適。デッキに出てみれば、本当に雲の中を飛んでいく飛行機のような不思議な感覚です。空が、雲が、明らかに低い。ここは標高3,890m、富士山よりも高い場所。まさしく、天空の湖、天国に一番近い湖だなあと。
・タキーレ島へ到着。実はこの島、街がちょっと高い場所にあり、40分近く山を登らないと到着しないとか。普段であれば大した距離ではないのですが、何と言ってもここは4千メートル近い高地。いくら高地順応しているとはいえ、空気の薄さはさすがに感じる場所。大丈夫かなあと。ところが、実際に行ってみると、登りはだらだらとスロープ。それも見事に景色の良い場所を選んで作られているのです。そして街の広場→レストランを経て、帰りの桟橋には一気に階段で降りられるようになっていました。そして、このコース以外は基本的に立ち入り禁止なのです。ほんと、観光用にできているなあと。というか、観光客と地元住民との世界を分けているんですよね。まあ、小さな島ですからこういう配慮は必要なんでしょう。
・約45分で島の広場に到着。学校風の建物があり、1階が織物の直売所、2階が織物工房、3階が展望台になっていました。直売所はペルーでは珍しい定価販売。タキーレ島の織物は素晴らしいと聞いていましたが、実際に素晴らしかったです。ただ、いいものは基本的にひもや帯状のものが多く、やはり100ソル以上はしました(そうでない帽子とか手袋とかはもっとずっと安いです)。もちろん全て手編みのようですし、その手間を考えれば仕方ないのですが…。実際に日本に持って帰っても使い道なさそうで、それでも記念に買おうかなと思ったりもしたのですが、集合時間が迫っていたのもあり、結局買いませんでした。で、最終的にここに戻ってくることもなく、その後大きな直売所もなかったので、結局買いそびれ。残念でしたが、まあ、心の中にとどめておくということで。
・食事をしていると、何だか急に天候が悪化。帰りの桟橋まで降りている途中に、ぱらぱらと雨。湖を見てみると、ところどころ雨が降っている場所がわかります。とっとと船に乗りたかったものの、連絡ミスか、船はまだ来ておらず。しばらく待っているうちに天候も回復し、船もやってきて、これに手1件落着、あとは戻るだけとなったのですが…。
・なんだかどんどん天候は悪化。湖とは思えない波の中を行くこととなりました。船が大きな波を乗り越えるたびに、どーんどーんと船底をたたく音が聞こえ、フロントガラスにはどばーっと水が叩きつける。「自分は船酔いには強いけど、こりゃ酔う人がいるかも…」などと考えていたところ、突然、フロントガラスが割れ、大量の水とともに船内に飛び込んできました。ガラス横に座っていた女性はもろにかぶった模様。そして、正面からは大量の水と強い風が吹きつけます。船内はちょっとしたパニックに。
・と、ガイドさんが先頭に立ち、スペイン語で大声で説明。その後、ライフジャケットやらうきわやらも配られました。落ち着いた後、英語での説明もあり、おそらく15〜20分で波は落ち着くので、それまで徐行運転する、安心してほしいとのことだったようです。たしかに、天候は徐々に回復してきていました。時折、正面から水は入ってきていたものの、ガイドさんの冷静な対応もあり、徐々に波も穏やかに。途中で船頭さんが応急処置として穴のあいた場所にターフを張りに行き、一応風も防げるように。フルスピードではないものの、無事、プーノへと生還しました。ほんと、ここで遭難していたら、文字通り、チチカカ湖は天国に一番近い湖でした(苦笑)。
・あと、カップルがしっかりとお互いに励ましあっていたり、そうでなくても同じ言語で状況を話せる人がいたりするのは、ちょっとうらやましかったですね。別に何も起こらなければ一人旅の方が気楽でいい部分があるのですが、こういうことがあると、やっぱりね。せめて日本語で話せる誰かでもいたら良かったなあとか思うわけですよ。今回の旅、そう思わせる事態が結構多かったんですけど、そのうちの最たるものでした。
・ともあれ、「こういう経験をするとさ、人間生きているだけで奇跡だって思えるんだよ」。つい、ツイート(笑)。
・プーノの街に戻ってきて、レストランで一人だけの祝杯。ペルー最後の夜は、最後の日にふさわしい思い出を込めつつ、更けていったのでありました。
今日の泊まりは「Hotel Balsa Inn(プーノ)」


今日のお買いもの(1ソル≒28円)

前日のこり 463.5ソル
・ウロス島のタペストリー 100ソル
・トトラ船遊覧 10ソル
・タキーレ島ランチ 25ソル
・タキーレ島ミサンガ 1ソル
・手袋とニット帽子 22ソル
・ディナー(ペペレイ) 40ソル
合計 198ソル のこり265.5ソル
(別途、ホテルにチップ1$(はがきの投函を頼んだ)、レストランのチップ1$)


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