会場も入場者数も莫大な上海万博、数日ではとても見切れないほどのパビリオンがあります。 私も5日間いましたが、半分をちょっと超えたぐらいしか見られませんでした。 とはいえ、せっかくの機会なのですから、少しでもいいパビリオンを見たいというのも当然のこと。 行列待ちの時間などを利用して、現地にて各パビリオンの評価をしていましたので、それを公表させていただきます。 少しでも万博攻略の参考になれば幸いです。 (なお、いずれもいそべの個人的な感想ですので、あくまでも参考程度で。) (2010年5月訪問、5月掲載開始)
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☆☆☆☆☆(5つ星) :必見です!! |
日本政府館(A)、大韓民国館(A)、上海館(中国省市館内)(A)、サウジアラビア館(A)、都市の惑星館(B)、アメリカ館(C)、中国石油館(D)、上汽集団-GM館(E)、民間企業共同館(E) |
日本館(日本政府館):公式サイト 〜派手さはないものの、しみじみとした感動を呼ぶハイテク技術 |
Aゾーン | |
パビリオンの入り口で描かれる「聯接」の2文字。この2文字がテーマとなって展開し、最後に感動的な姿で再現される。伏線好きな日本人の感覚にぴったりあったパビリオンです。ただ、若干お上品すぎて、中国の方にどこまで伝わるか多少不安…。 | ||
大韓民国館:公式サイト 〜さすが韓流、しっかり泣かせてくれます |
Aゾーン | |
入口にでかでかと「イ尓的朋友大韓民国」と掲げるなど、民族性か(日本とは違い)直球で勝負。特にいいのが最後の映像。さすが韓流というか、どんどん押してくる分かりやすいストーリー。そして、最後には感動的なサプライズがあなたを待っています。 | ||
−残念ながら写真がありませんでした− | 上海館(中国省市館内) 〜小粒だけどピリリと光る、好演目です |
Aゾーン |
「中国省市館」の中の1つ。他の省市と同じスペースしか与えられない中、上海の歴史と魅力、そして未来を短い時間でまとめた素晴らしい演目を作り上げてくれました。効果や照明が最近の音楽座ミュージカルに似ている気もしますが、偶然でしょう。 | ||
サウジアラビア館:公式サイト 〜万博だから出来た、お金があったから出来た空中浮遊の旅 |
Aゾーン | |
単にベルトコンベアにのせられて映像を見るだけなのですが、他では絶対に見ることのできない、大規模かつ独特な映像世界が繰り広げられます。期間限定の万博、それも出展国にお金があったからこそできたパビリオンかと思います。 | ||
都市の惑星館(城市地球館) 〜都市の問題点をきっちりと捉え、分かりやすく展示 |
Bゾーン | |
都市や都市化の問題をきっちりと捉えた上で(どんどん建物を上がっていきます)、それを解決していく方策を提示し(建物を下りていきます)、最後に巨大映像で締めくくるという、王道的なテーマ館です。言葉が分からなくても、感覚で理解できます。 | ||
アメリカ館:公式サイト 〜掴みが上手すぎ アメリカ好きを増やす戦略的展示? |
Cゾーン | |
待ち時間に流れる映像(難しい中国語をアメリカの色んな人に言わせてみる)から、観客の掴みばっちり。そして、次の映像ではクリントン国務長官、そしてオバマ大統領が登場。最後の映像もいかにもアメリカ的成功物語。USAの魅力に浸れます。 | ||
−残念ながら写真がありませんでした− | 中国石油館 〜やるならば徹底的に! やり切ったことの素晴らしさ |
Dゾーン |
石油の大切さを伝える3D映像なのですが、椅子が動いたりとか様々な体感部分があります。それがしつこいぐらいに徹底していて、実に面白いのです。全く生身の人間が出てこないにもかかわらず、終了後、観客から拍手が沸き起こりました。 | ||
上汽集団-GM館:公式サイト 〜2030年、光り輝く夢と希望にあふれる未来への旅へ |
Eゾーン | |
出しものとしては、三井・東芝館のラスト+トヨタグループ館なんですが(分かる人は分かる)、そこで描かれている2030年の上海の姿が夢と希望にあふれすぎていて、ある意味うらやましくなりました。すごく前向きな気分になれます。 | ||
民間企業共同館 〜冗談系の展示かと思いきや、最後はアイデアの勝利 |
Eゾーン | |
英語の表記がほとんどないため、途中までは???。ところが、最後のホールの出し物が秀逸。無数の白い球が天井から上がり下がりし、波になってみたり、天井になってみたりして、ダンサーとコラボレーションするのです。これも拍手が起こりました。 |
☆☆☆☆(4つ星) :できれば見ましょう! |
中国国家館(A)、香港館(A)、アラブ首長国連邦館(A)、都市と人間館(B)、赤十字・赤新月社館(B)、フランス館(C)、デンマーク館(C)、ロシア館(C)、日本産業館(D)、コカコーラ館(D)、万科館(E)、情報通信館(E)、大阪館(E) |
中国館(中国国家館) 〜上海万博の目玉中の目玉 ただし展示も大味 |
Aゾーン | |
名実ともに今回の上海万博の目玉。感動的な映画、清明上河図の再現と素晴らしい展示が続き、「最後にはどんなすごいものが待っているのだろうか」と期待するものの、ライドや展示は多少期待外れ。とはいえ、やはり必見のパビリオンではあります。 | ||
香港館 〜物量の中国、質の香港 好対照な2パビリオン |
Aゾーン | |
巨大な中国館の前に小さく並んだ香港館とマカオ館。2階部分が透明なのは香港社会の透明性の高さを象徴しているのだとか。展示も良く考えられており、3階屋上にはビオトープを作ったりと、小さくても質の高いパビリオン。微妙に刺激的です。 | ||
アラブ首長国連邦館 〜謎に包まれた国の現状が分かる 待ち時間からアラブの世界へ |
Aゾーン | |
お金がある国は立派な展示をするかなと思い見に行ってみたのですが、確かにお金のかかった綺麗な展示でした。なかなかアラブに触れる機会はないのですが、宣伝とはいえ、なるほど人びとは同じようなことを考えているのだなと思えました。 | ||
都市と人間館 〜6家族の毎日を追うことで都市における生活を明らかに |
Bゾーン | |
各大陸の特徴的な6つの家族を取り上げて、その1日や生活を追うことで都市に生きる人の生活を体感できるようになっています。切り口が良く、へぇーとは思うのですが、最終的に訴えたいことが僕の英語力と理解力では?でした。 | ||
赤十字・赤新月社館 〜感動はいまも現実の社会にある さあ一緒にこの先へ |
Bゾーン | |
愛知万博でも途中から人気が高まってきて、最後は名実ともに人気パビリオンとなった「赤十字館」。今回も愛知万博のコンセプトをほぼ引き継いだ内容となっています。やはり、個人的には地震のお話には弱いですね…。 | ||
フランス館 〜国宝級の名画が気軽に見れる アメリカとは違った気さくさも |
Cゾーン | |
ミレーの「晩鐘」という超有名な作品が展示されているのですが…どうも、中国ではあまり有名ではないのか、人だかりはしていません。むしろ、ロボットやルイヴィトンの方が人気のようです。晩鐘、近くでじっくり見ると本当にすごい作品でした。 | ||
デンマーク館 〜自転車でめぐるパビリオンって万博初? |
Cゾーン | |
コペンハーゲンのシンボル「人魚姫の像」が初めて国外に運ばれたということで有名。ただ、それよりも凄いのはこのパビリオン(希望者だけですが)、自転車でめぐることができるということ。結構しんどいですが、天気のいい日は結構気持ち良いですよ! | ||
ロシア館 〜大国ロシア その威信とロシアの風土を前面に |
Cゾーン | |
一旦どん底まで落ちながら、石油景気と強権的大国のメリットを生かして、復活を果たしたロシアのパビリオン。さすが大国ロシアというか、幻想的な部分も、科学技術の威信を誇る部分も、本当に規模が大きいです。撮影スポットも満載! | ||
日本産業館 〜一筋縄でいかない国日本 展示内容と展示方法で表現 |
Dゾーン | |
3万円懐石や世界一のトイレで有名になりましたが、日本の特徴を凝縮した映像も、個別の企業ブースも、かなり高品質です。お土産入りの「日本産業館」と書かれたバックを配るのも、宣伝と企業イメージ向上という点からなかなかのアイデア。 | ||
コカコーラ館 〜コカコーラ万歳! ここまで押し切るのはある意味立派! |
Dゾーン | |
パビリオンの外観から待ち時間、プレショー、映像、そしてアテンダントさんまで全てがコカコーラ、そしてアメリカ!ここまで徹底的に押し切られてしまうともはや脱帽としか言いようがありません。最後に200ml入りの小さなコーラがもらえます。 | ||
万科館 〜現代に対するそこはかとない反省を含んだ異色の企業展示 |
Eゾーン | |
もしかしたら中国企業ではない?と思ったぐらいに、発展一辺倒の現状に対する危機感を打ち出したパビリオンとなっています。テーマも「人と自然と都市の相互尊重」ということで、外装に麦わらを使用。中国も変わりつつあるのかなと思ってみたり。 | ||
情報通信館(信息通信館) 〜日本語OK!ICTをつかって、家に帰っても楽しめる |
Eゾーン | |
一人一人にDSのような小型機器を渡されるのですが、ここで「日本語」が設定できます。ヘッドホンを入口でもらいましょう。内容はまあまあなのですが、帰宅してからもネット上で情報が見れます。色々な点で、日立グループ館を彷彿とさせます。 | ||
大阪館(ベストシティ実践区) 〜水をテーマに 小さいながらも魅力のある展示を実現 |
Eゾーン | |
全く人気(にんき&ひとけ)のないベストシティ実践区にあるのですが、水をテーマに小さいながらも品の良い展示に仕上がっていました。ほんのちょっとですが、兵庫県も出展協力なのでお見逃しなく。やはり日本の魅力はサブカルチャーなんかなあ…。 |
☆☆☆(3つ星) :空いていれば見ましょう |
インド館(A)、中国省市館(A)、イスラエル館(A)、都市の生命館(B)、高架歩道の観光線(B-C)、ポーランド館(C)、イタリア館(C)、イギリス館(C)、リトアニア館(C)、上海企業館(D)、中国航空館(E)、遠大館(E) |
インド館 〜素敵な外観のパビリオン 内部はまあまあ |
Aゾーン | |
ニューデリーだのチャンディーガルなど、都市計画の先進地。ところが、展示はメインシアターの中にあり、終演後、ゆっくり見ようとしていると追い出されます。空中映像のメインシアターも、面白くはありますが、中国語が分からないので意味は不明でした。 | ||
中国省市館 〜上海で中国小旅行 大中華人民共和国の多様性を実感 |
Aゾーン | |
中国国家館の下、ひれ伏すように中国各省市の展示があります。それぞれの地区の共産党幹部にとっては国家への忠誠を誓う競争の場なんだろうなあ…。ともあれ、民族衣装とかも多彩で、小旅行気分が楽しめます。写真は青海省。 | ||
イスラエル館 〜隠れた先進国 イスラエルの実情が垣間見えるかも |
Aゾーン | |
密かに先進国に分類されるイスラエル。映像は立派なのですが、ひたすらイスラエルの宣伝なので、面白いかというとかなり?です。国家主義の国ってやはり似てくるんですかね…。個別モニターが何のためにあるのか最後まで理解できませんでした。 | ||
都市の生命館 〜巨大なオブジェは見もの とはいえテーマ性はいまいち |
Bゾーン | |
入口の「鉄道駅のゾーン」が一番の見ものでしょう。都市の生命という題材で鉄道駅を持ってきたのは、なかなかの発想です。映像も良かった記憶があるのですが、いまいちテーマが分かりませんでした。都市の素晴らしさを訴えたかったのかな。 | ||
高架歩道の観光線 〜グローバルトラムとは大違い 10元は高いか安いか |
Bゾーン〜Cゾーン | |
CゾーンからBゾーンまで移動するのに使ってみました。高架歩道にはほとんど人がいないので、びゅんびゅん飛ばします。あまり観光線になっていないような…。まあ、話のタネに乗ってみるのもいいかなと言った程度です。楽は楽だし。 | ||
ポーランド館 〜あまり都市を取り上げていなかったような… 構造が不思議 |
Cゾーン | |
去年秋の旅行ですっかり虜になってしまったポーランドのパビリオン。素晴らしい外観に期待も膨らみますが、映像が淡々と流れるだけでした。とはいえ、ここでジューレックとゴロンカを賞味できたのは、うれしかったですね。かなり高価でしたが…。 | ||
イタリア館 〜オーソドックスな陳列型展示 2階は半分ぐらいがレストラン |
Cゾーン | |
特に映像も無く、国宝級の美術品なども来ておらず、デザイン性の高い自動車やファッションなどが展示・陳列されています。中国人にはそのファッションなどに興味があるようなのですが、日本人にとってはあまり面白くないかも。 | ||
イギリス館 〜外観のインパクトが全て 寄って確かめたいなら入ってもいいが |
Cゾーン | |
外観のインパクトが全て、と言った感のあるパビリオンです。展示も「へぇー」と思ったものがなくはなかったのですが、やはり外観の激しいインパクトには負けます。どうしても「種」が確かめたいならあえて並ぶことを止めはしませんが…。 | ||
リトアニア館 〜またもやってくれましたリトアニア 今回も不思議系な展示 |
Cゾーン | |
愛知万博でカルト的人気を誇ったリトアニア館。今回も、どこか奇妙。鉄パイプの中に入って左右に揺れる器具や、バスケットボールコートがあったりします。多分、中国語が分かればもっと面白い何かが発見できそうです。誰か、突撃を! | ||
上海企業館 〜インタラクティブなところは面白い ロボットレストランは? |
Dゾーン | |
映像があったはずなのですが、思い出せない…。映像に至るまでのプレショーの出来(オブジェも含めて)がとてもよかったのは憶えているのですが。自動調理ロボットは日本人には珍しくないかも…。試食もできますが、50元(約750円)です。 | ||
中国航空館 〜ライド系は正直難しい 面白くはあるのだが |
Eゾーン | |
3Dメガネをかけてライドに乗るというものだったのですが、正直、ライドとしては作りが荒いというか…。入口などの雰囲気は良いのですけどね。ただ、感銘を受けていた人が結構多い雰囲気だったので、自分が疲れていたせいかもしれません。 | ||
遠大館 〜24時間で作ったビル それ自体が見もの |
Eゾーン | |
四川省大地震と同規模の地震体験とか、小さな体験ものを移動しながら少しずつ見ていくという変わったパビリオン。一番の見どころは、このビル自体が24時間で建てられたということ。1日でビルが建ち上がってしまう映像はなかなか見ものでした。 |
☆☆(2つ星) :興味があるなら見ても… |
北朝鮮館(A)、ネパール館(A)、ベトナム館(A)、ウズベキスタン館(A)、イラン館(A)、アイスランド館(C)、オーストリア館(C)、万博の歴史館(D)、都市の足跡館(D)、ショー「茶」(D)、国家電網館(D)、宇宙の家館(D)、都市の未来館(E) |
☆(1つ星) :お薦めはしませんが…… |
パレード(C)、中国鉄路館(D)、震旦館(D) |