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 全国中央駅めぐり・その1

「ウッディタウン中央駅」
(神戸電鉄公園都市線)
−おしゃれな街のちょっとさびしい中央駅−


 全国で「中央駅」を名乗る駅は全25駅。その先頭を飾るのは、中央駅の典型である「ニュータウン新線終着駅」のひとつ、神戸電鉄「ウッディタウン中央駅」。近畿の駅百選にも選ばれた美しい外観。タクシー・乗用車とバスとを分離した近代的で機能的な駅前広場。ランドマークともなる有名シティホテル。しかし、この駅、なんだかちょっと、さびしいのです…。(2008年12月訪問、2008年12月掲載)
中央駅駅舎
[中央駅類型:ニュータウン新線終着駅型]


駅の所在地:兵庫県三田市ゆりのき台 駅周辺の基本情報(見える範囲で)

大きな地図で見る
施設種別
有無
施設種別
有無
デパート
×
スーパー
コンビニ
×
郵便局
バスターミナル
待機タクシー
食堂・レストラン
×
ファストフード
×
その他主な施設 シティホテル、シネコン
・注釈
 スーパーの△:駅から大きなサティが見えていますが、距離があって駅前とはいえず、駅から歩いて行く人もほとんどいないようです。
 郵便局の△:地図上は駅前ロータリー部分にあるようですが、私は見かけませんでした。1階か、あるいは工事中の影響かもしれません。

・おことわり
 当該データはいそべさとしがふらっと駅前を歩いて、感覚で調べたものであり、正確さには大いに欠けます。ご了承ください。


・中央駅を探訪:大きく作ったので大きく育ってほしい立派すぎる駅

 近畿の駅百選にも選ばれており、デザイン性の高い駅舎や駅前広場の広さ・構造、そして駅横にシティホテルを備えている点などから言っても、「中心地となるべく作られた中央駅」であることは間違いないと思われます。ところが、乗降客はまばら、駅を降りてすぐにところに商業施設はなく、バスも通過するものばかりで始発地になっていない。何かどこかで間違っちゃった、という感覚は否めない駅です。
 この駅が中心地になれなかった理由。それは大きく2つ、「JR新三田駅」および「南ウッディタウン駅」であると思われます。
 そもそも、神鉄公園都市線は、神戸方面ではなく、三田駅方面に直通運転をしています。すなわち、公園都市線→神鉄三田(乗り換え)JR三田→大阪方面という通勤客を主なターゲットとしているのです。ところが、上の地図をどんどん縮小していってもらえばわかりますが、JRの新三田駅も各ニュータウンから決して遠くはないのです。とすれば、バス通勤の人などは、わざわざ公園都市線各駅に降りず、JR新三田駅まで行って、そこから座って通勤したいというのは当然。通勤のための輸送・送迎などは、当初想定したウッディタウン中央駅ではなくJR新三田駅にシフトしてしまったのではないかと考えます。
  一方、ウッディタウン中央駅は人が集まることを想定して広々と作っているため、逆に広すぎて使いにくいというのも否めません。あれだけ広ければ、夜間、女性の独り歩きなども危険なのではないでしょうか。好対照なのが南ウッディタウン駅で、ここは駅を降りたらいきなりコンビニ、郵便局があり、その目線の先にはスーパー(阪急オアシス)が見え、その上の階にはスポーツセンターとなっていました。確かに見た目はあまり美しくないのですが、生活する上でどちらが便利かといえば言うまでもありません。すなわち、身近な生活支援機能(?)は南ウッディタウン駅に奪われてしまったとも見えます。
 では、この駅に将来がないのかといえば、そんなこともありません。ウッディタウン、そしてその先のカルチャータウンはまだまだ造成中。まだまだ人口増加が見込めます。駅まで徒歩圏の人はさすがに公園都市線を利用するでしょう。また、コンパクトでない反省からか、駅前広場のすぐ横に新しいビルも建設中でした。ここに生活利便施設が入れば、だいぶ駅前の雰囲気も変わってくると思われます。
 多くの人が利用する駅がイコール素晴らしい駅ではありませんが、多くの人が使うことを想定していて、そうなっていない駅というのは、どこかさびしさがあります。この駅には大きく育つためのポテンシャルは十分に備わっているのです。少しずつ軌道修正をしていきながら、住民にとって使いやすい駅として大きく育ってもらえればと願わずにはいられません。

中央駅は終着駅 橋上駅だが光は差し込む ちょっとさびしい雰囲気
公園都市線の残りひと駅は「フラワータウン」駅で、3駅ともカタカナ駅名。 島式ホームの上の橋上駅舎。とはいえ、ホームが1階相当のため、結構明るい。 基本的には無人駅で、インターホン対応。神鉄はこういう駅が結構多いよう。
線路が伸びる日は来るのか 広すぎる駅前広場 非常に立派なホテル
延伸の計画もあったらしいが、この利用状況では厳しいのでは。 駅前広場は非常に広く、バスとタクシー・マイカーで階(レベル)を分けている。 駅横にある新阪急ホテル。列車で訪れる人がいるのだろうか…。

・中央駅で食べる:パティスリー・エス・コヤマの小山ロール

 ウッディタウン中央駅前から「ゆりのき台公園」まで、30分に1本バスが出ています。終点「ゆりのき台公園」の一つ前の停留所「ゆりのき台郵便局前」降りてすぐのところにある行列のできている店が、TVチャンピオングランドチャンピオン大会で優勝したことで有名な小山進氏の店「パティシエ・エス・コヤマ」です。
 グランドチャンピオン大会決勝に出したのが、一見何の変哲もないように見える「小山ロール」。しかし、口に入れると、はじめしっとり、そしてほわっと、やさしい甘みが口に広がります。この小山ロールとバームクーヘンを求めて、県内外からたくさんの人が買いにやってくるのです。
 ちなみに、お店の方は行列ですが、別棟に喫茶室があり(hanareというらしい)、そこでも「小山ロールセット」として味わうことができます。1,200円とまあまあの値段ですが、行列に並ばなくても順番になったら携帯で呼び出してくれる、小山ロール以外のアイスクリームやチョコレートも非常においしい(とくに赤ワインのチョコレートは本当においしかった)、ロイヤルミルクティーも泡だててあったりスパイスが付いていたりと個性的、と、そこそこにリーズナブルかなと思いました。
 この一角は他にも、コヤマプロデュースのパン工房やマカロン工房、お菓子教室などもあり、「コヤマコンプレックス」とも呼ぶべき状態になっています。「ゆりのき台郵便局前」というバス停の名前も変えたほうが良いかも?
 こういうお店がニュータウンにもあり、きちっとお客が付いている。このあたりに、神戸スイーツというか、阪神間スイーツの底力を感じずにはいられません。

エスコヤマの行列 これが小山ロール 喫茶店で賞味
小山ロールやバームクーヘンを求める人の列。4時の段階ではもう売り切れ。 これが噂の小山ロール。これだけあれば1本ぐらい、と思うが。 喫茶室で小山ロールセット1,200円。内容を考えればリーズナブル。

・中央駅の先へ:ワシントン村(クリスマスイルミネーション)

 ウッディタウン中央駅前から「学園7丁目」まで、1〜2時間に1本バスが出ています。終点「学園7丁目」の一つ前の停留所「学園小学校前」付近が、クリスマスイルミネーションで有名なワシントン村です。
 このワシントン村というのは、兵庫県がアメリカ・ワシントン州(シアトルがある西海岸の州で、首都であるワシントンD.C.とは全くの別物)と姉妹関係にあることから作られたもので、異常に広い敷地、塀のない作り、家の前は芝生、車はガレージに入れる、電柱類はすべて地中化、道路もロータリーを駆使して通過車両を排除という、日本とは思えない光景が広がっています。そして、街並みや住んでいる人の志向にも合っていたのか、2000年から「クリスマスイルミネーションのメッカ」として有名になり、一時は警官が出てくるほどだったそうです。
 その後、他の地域でもこういうイルミネーションが一般化したこと、電気代が相当に大変なこと、一種の観光公害の状況に陥ったことなどから、若干下火になったと聞いています。
 で、今年(2008年)行ってみましたが、確かにイルミネーションをしている家自体はさほど多くはありません。ただ、やっている家はどこもハイレベルで、ストーリー性のあるものや、映写機を使ったものなど、なかなか面白いイルミネーションもたくさんありました。
 見に来ている人々もそこそこにいましたが、大声はあげないなどの配慮をして、いつまでもこういう取り組みが続いてくれればと思いました。

サンタがワシントン村にやってきた ワシントン村の夕暮れ 天の川から雪だるまがやってきた
イルミネーションをしている家は意外と少ない。ただ、やっている家は高レベル。 夕暮れと一番星とイルミネーションのコントラスト。なかなかきれいに撮れた1枚。 手作り感あふれるイルミネーション。天の川でもイメージしているのだろうか。
輪郭イルミネーション ランプの色を統一 ビレッジセンター前のツリー
非常に目立っていたが、ここまでするとちょっとやりすぎという気もする。 同系色の色で奇麗にまとめてある。2階、3階の灯りがキーポイント。 ビレッジセンター前のツリー。今後もひそかに続けてほしいものである。



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