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僕の舞台技術学校日誌
エピローグ(〜2010.4.21)


22.4.21 そして、入学式前日
 いよいよ明日は、ピッコロ舞台技術学校の入学式。すでに卒業してしまっているとはいえ今日までは18期が一番若かったが、明日からはいよいよ19期に交代。18期は名実ともにOBとなる。そして、この入学式に、私は19期の新入生として出席する。もう1年、舞台技術学校に行くことにしたのだ。

 正直、いろいろと悩みはあった。そして選択肢も。
 悩みの一つは、この1年で演劇・演技に対する興味が結構出てきてしまったこと。演劇学校の授業を見たり、一緒に作品を作っているうちに、台本にある文字の羅列を会話にし、演技にし、そして演劇に仕立て上げていくという作業は、どうも思っている以上に面白そうだということに気づいてしまった。ところが、私自身は演技の経験というのが全くない。年齢的にもほぼ最後のチャンスであろうし、ダイエットも兼ねて演劇学校本科に行ってみようかという思いもあった。
 一方、この1年間、それなりに職場に迷惑をかけたこと、やはり仕事が忙しい時期はそれなりに大変であったことから、本当にもう1年続けられるのかという疑問も。4月から組織改編で仕事が変わり、慣れない種類の仕事でかつ仕事量が増えたというのも、マイナス要因だった。
 さらに、もう1年続けたとしても、正直なところ、その先の展望が一切ないという現実。若い人であればプロになるとか、劇団を立ち上げるとか、学んだことの活用方法も夢もいろいろとあるのだろうが、この年齢のフルタイム社会人としては、なかなか厳しい部分もある。
 そして、単に楽しかったというだけでもう1年ピッコロに行くのはどうなのか。もう1年技術学校に行っても、絶対に去年のような新鮮味はないはず。もっと違った、老後にもつながりそうな趣味を見つけるべきではないのか。そんな悩みもあった。
 ということで、「演劇学校本科に行く」から「技術学校で他コースに行く」「もう1年美術コースに行く」「今年はピッコロにはいかない」までの間でしばらく悩んでいたのであった。

 しかし、最後に決め手となったのは、やはり卒公最終日に感じた「もうちょっと美術コースで何か出来なかったか」という思いと、「人生は結果でなく過程。もう1年だけ舞台の世界で、いろんな人たちと出会いたい」という思い。どんな結果が待っているかは分からないけど、もう1年だけ思いっきり美術コースをやって、そして次の世界を見つけたい。2年目に入ることはそれはそれで不安があるけれど、やらない後悔よりもやった後悔。絶対にまた何か、自分の中で得るものがあるはず。そう思って、もう1年技術学校に行き、美術コースに行くことにした。
 2年目ということで、周囲の目も変わってくるはず。多少怖い部分もあるけど、それも糧にしながら頑張っていこう。小さく決意。

 明日の6時半。大ホールにピッコロ舞台技術学校19期生、27名が並ぶ。兵庫県尼崎市南塚口町3丁目、ピッコロシアター大ホール。ここから、私も含めた19期生それぞれの「舞台技術学校日誌」が始まるのでありました。

僕の舞台技術学校日誌 おわり

「僕の舞台技術学校日誌」おわり


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