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僕の舞台技術学校日誌
2月(2010.2.2〜2.28)


22.2.2 卒業公演プラン研究9
 前回に引き続き、模型&図面の製作。いずれもこの日中に完成して、演出家に最終OKをもらうとともに、翌日の道具発注に間に合わせないといけない。かなり厳しいスケジュールだった班もあったようであるが、なんとか完成し、演出家に見せることができた。実際に舞台にのせるとどうなるのか分からないものの、模型だけで見ればかなりいい感じに仕上がった。
 最後には実際に舞台に乗る本科の役者さんたちも見学に来てくれた。少しはイメージが共有できたのでは。連日の授業・自主稽古、なかなか上手くいかないセリフやダンスなど、いろいろと本科は大変な様子。私自身も全く様子が分からないので見に行きたい気もするし、まだ見ない方がよい気もする。いずれにせよ、いよいよ卒業公演の大枠が固まってきたのを実感した回でありました。

22.2.3 卒業公演プラン研究10(道具発注)
 仕事の都合でちょっと遅刻。このあたりからちょっとだけ仕事が忙しくなってしまった。
 美術会社の人も交えて、道具の発注。美術コースは昔から、発注するものと自ら作るものを分けているそう。全部自分たちで作る方が良いように感じるかもしれないが、技量や道具、時間や場所の関係でなかなか作れない道具があることも事実だし、プロの世界では美術家(プランナー)と大道具製作はほぼ完全に分離しているので、その練習という意味もあるようである。さすがに20年近く続いていると、いろんなことに意味があるのだなあと実感。
 確かに、自分で作るのであれば、その場で適当に工夫したり、試行錯誤することができるのだが、発注する場合はそのあたりのことも完全に考えておき、更にそれを言語で相手に伝えなければならない。ある意味、自分で作る以上にシビアな世界である。今回は「大枠は作ってもらうが、最終仕上げは自分たちでする」ものが多いのでまだましであったが、全部作ってもらい、それをそのまま使うプロの世界はよりシビアなのであろう。そして、普通はそれに「予算」の問題が付いてきて、「いかに安く、狙った効果を打ち出していくのか」を短い打ち合わせ時間内にプランナーは決断していかないといけないわけで。高校演劇や大学演劇とは違う、ちょっとシビアな世界が垣間見えたのでありました。

22.2.4 卒業公演道具製作1(欠席)
 いよいよ道具たたき初日。さあがんばるぞ!
 …のはずだったのだが、仕事で大きな問題が発生して残業となり、結局この日は参加できず。とはいえ、美術コース11名はたたきをするには明らかに多いので、それほど実質的な損失はないかなと…。まあ、行ければそれに越したことはなかったのであるのだが…。
 これまでは仕事に割と余裕があり、普通に出席できていたのだが、仕事柄さすがに2月3月は忙しくなりそう。卒業公演を目前にしてちょっと困ったなあと思ったりもしたのでありました。

22.2.5 卒業公演道具製作2
 私にとっては、道具たたき初日。前日からパネル班と飾り板班に分かれている様子。本日欠席の人が入っていたパネル班に入れてもらい、たたきの作業。パネルは前回の中間発表会でも作ったのである程度馴染みのある作業ではあるのだが、両面パネル(表も裏も両方を使う)なので、中に発泡スチロールを挟んだり、周りに枠をつけたりと、多少違うところもある。また、パネルに穴をあける工程などもあり、なかなか楽しい。まだ色は塗ってないのだが、実際に出来上がってみると模型で見ていた時とはまた違った感慨がある。飾り板班もナタを使ったりしてなかなか楽しそう。プラン研究で作った図面を眺めながら、職人のようにいろんな板を切り出していた。プランニングはプランニングで大好きなのだが、こうやって実際にものを作っていると「いよいよ公演が近づいてきた」というのが本当に実感できる。さあがんばるぞ!
 …のはずだったのだが、ホール改修の影響で次回の授業は10日以上あと。ただ、そこからは怒涛のごとく作りまくるしかない。ともあれ、この10日間はは一時休息の時間として、部屋や資料の整理だの、職場の方の人間関係の構築(≒飲み会)とかに勤しもうかなと思っていたのでありました。

22.2.16 卒業公演道具製作(自主作業)
 10数日ぶりのピッコロ。年末年始以来の長い休みだった気がする…。ともあれ、ここからは一気呵成に卒業公演まで走るしかない。小さく決意。
 作業は、引き続きパネルチームと飾り板(ワゴン)チームに分かれての作業。私はパネルチームに。釘打ちがなかなか上手くいかずにちょっと焦る。今年1年でかなりの数を打っているはずなのだが、ちょっと間が空くともとに戻ってしまう。若干、年齢のせいかなと思わなくもない。明らかに昔に比べると「体で覚えること」の能力は落ちている気もする。反面、これまでの知識を組み立て直すことで対応できる事態も多いなあと感じており、プラスマイナスでとんとんなのだろう。
 ちなみに、自分のためにパネルの作り方を書いておくと「木の台にベニヤを並べる。軽く釘で固定しておく→周囲を取り囲むように寸角で枠どり。寸角はしっかりと打ちつけておく→ベニヤに鉛筆で下書き→寸角だけを外す→ベニヤを外す。裏返しにはしない→ベニヤを下の方から寸角に合わせて打ち込んでいく。このとき鉛筆での下書きの場所を基準に打っていく」。ホームページを見てもいろんな作り方がある様子だが、これは初心者に優しい方法。とはいえ、打ち込みできる木の台が無いと出来ないので、演劇部などでは無理かも。
 この日はもう一つの両面パネルまで完成。残りの部分は業者発注で出来あがってくるので、大物の製作はほぼ完成。もちろんまだ色も塗っておらず、全然雰囲気は出ていないのだが、改めてその大きさにびっくり。とはいえ、あの大ホールに置くのであればこれぐらいの大きさは必要なのだろう。
 明日はいよいよ発注分の道具が出来上がってくる。事前に見せてもらったものもあるのだが、やはり最終がどうなったのか気になる。先生方によると「人数が多いこともあり、概ね順調なペース」とのこと。いよいよ、色付けや発泡スチロールの切り出しに入るということで、それもまた楽しみなのでありました。

22.2.17 卒業公演道具製作3
 道具製作会社に発注していた道具が届く。今回は(例年もそうらしいが)基礎部分を作ってもらっており、これに色を塗ったり、加工したりすることになる。自分たちで全てをできなかったのは多少残念な気持ちもあるが、ホール改修が絡んでいたこと、そして今回の道具は動き回るため素人の製作では役者さんの安全という部分で多少心もとない。美味しい部分だけをやらしてもらっているという自覚を持ちつつ、ここからは自分たちの責任で仕上げていかなければならないという思いも。
 作ってもらった道具は迫りを使って奈落に下したのだが、全部で3回分。結構な分量。さらに発泡スチロールは別劇場でピッコロ劇団がやっている芝居(真田風雲録)から流用するとのことで、もっと多くなる。これだけの量を果たしてすべて削り出して、色塗りして、仕上げることができるのか多少不安にはなってきた。
 今回はワゴン(平台)チーム[飾り板チームが改名]と、発泡スチロールチームに分かれる。私は発泡チーム。そういえば、TEAM 発砲・B・ZINなる劇団が昔ありましたな…。閑話休題、まずは神社の鳥居の切り出し。角々していた物体が、発泡スチロールを切り出していくだけで本当に丸太のように見えてくるのは不思議。そして、発泡の削り心地はなかなか良く、ストレス解消になる。途中ちょっと手を切った同級生もおり心配したが、大事には至らなかった模様。
 と楽しい時間を過ごしたのだが、発泡の大変さの本番はこれからであった。掃除ができないのである。ものすごい静電気で服はもちろん、壁やほうき、ちりとりにくっつきまくり、なかなか上手く捨てられない。どんだけ掃除をしてもまだまだいろんなところに散らばっている。最終的には、最後に徹底的に掃除するしかないのだろうが、日々の掃除だけでも相当に厄介。霧吹きで水を使えば多少は楽になるらしいが、あまり実感できなった。「なるほど、これが発泡スチロールが大変と言われる理由なのか」と、初日からしっかりと理解させられたのでありました。

22.2.18 卒業公演道具製作4
 授業指定ではあるのだが、この日はいつもの授業日(水・金)とは違う木曜日。ということで、出席できる人も少なめ。本来であれば私は発泡チームなのだが、ワゴンチームの人数が足らないという理由でレンタル移籍。言われるがままに、ワゴンのケコミ部分の基礎となる色をひたすら塗っていった。一人で黙々と、ただ、基本色を塗る。こういう作業も嫌いではないのだが、なんぜ塗るものはみな非常に大きい。大きいものというのはそれだけで取り回しが大変で、どうしても色むらなどが気になる。この作業のために結構広い場所を一人で占有させてもらっていたのだが、それでも場所が足らず、作業場所確保も大変であった。途中で、だいぶ絵具がはみ出していた気も…。申し訳ない。
 古巣の発泡チームは、今日、鳥居の最終仕上げをしていた模様。紙やすりで綺麗に表面加工。とすると、必然的に細かい発砲スチロールの粉が至る所に飛び散るわけで…みんなの服がすっかり白くなっていた。黒い服がベルベットの光沢に見えるほど。その粉は発泡チームを超え、ワゴンチームでも近くで作業していた人にまで被害を及ぼしていた。ところが、自分は発泡チームとはほぼ対角線上のところで作業していたため、全く無事。しかし、手だの服だのにはペンキだらけ。相当汚くなってきたが、皆同じように汚れているので全く気にならない。もう一日この服装で作業して、土日月で洗濯だなと考えたりしていたのでありました。

22.2.19 卒業公演道具製作5
 4日連続の4日目。仕事もそこそこに忙しいため、ちょっとお疲れ気味。とはいえ、奈落に入ればそんなことをすっかり忘れてテンションアップ。先生のスペイン土産の「伊勢海老チップ」をつまみつつ(志摩スペイン村ですな)、作業開始。
 まずは昨日の続きで、飾り板の色塗り。非常に狭い場所でぺたぺた。正直だいぶ慣れてきたので、大量生産方式(いっぺんに複数枚の板を塗る)で作業。「黄色」「基本色」「みどり」の3色に塗り分けていく。…としていたところで、遅刻していた同級生もそろい、ワゴンチーム全員集合。塗るものも無くなり、私はお役御免に。手を綺麗に洗ってから、古巣の発泡チームに合流。
 今日の発泡チームは井戸の成型。この井戸、もともとの台本には(明確には)なかったものだが、美術コースのプラン発表の時に出てきて、その後、台本上でもかなり重要な位置を占めるようになったもの。演出家との間でいい意味での相互作用があったところであり、強い思い入れもある。みんなで少しずつ切りだしていくのだが…人によって大雑把か細かいか、下絵にどこまで忠実かなどが全然違って非常に性格が分かる。どうも私自身はかなり大胆でいいかげんな気が…良く言えば、思い切りがよくスピードが速いとも言えなくはないが…。最終的にはどこかで統一感を出すと思うので、そういうのが分かるのも作っているものの特権。
 終わった後は、技術指導の先生も交え、塚口の(美術コースの定番となりつつある)いつもの焼鳥屋で飲み会に。大道具製作者としての心意気を聞かせていただく。私自身は完全にゼネラリストタイプなのでなかなか「この道一筋」とはならないのだが、スペシャリストの人の話はとても参考になるし、励まされることも多い。技術者としての矜持を感じた。
 こうしてみんなと飲めるのもあと2週間。3日間空いて、そのあとは卒業公演まで一直線。吹奏楽で例えて言えば、「アルヴァマー序曲」の練習番号21番からのような感じ。役者さんたちがしっかりとコラールを歌えるように、技術チームはスペシャリストの心意気で16分音符で支えなくては。改めて台本を読んで、もう一度舞台の世界とのつながりを取り戻したくなったのでありました。
[参考までに/アルヴァマー序曲の練習番号21番からというのは、この動画だと5:46からのところです。のびのびと歌いあげられる金管楽器に比べて、木管楽器はひたすら16分音符で飛び跳ねまくっています。これを金管楽器で吹いてみるのが、中高生ブラバン定番の遊びの一つです(本当かな?)]

22.2.23 卒業公演道具製作(予備日)
 この日は播磨科学公園都市(上郡町)に出張。仕事自体は4時過ぎには終わったのであるが、ここから尼崎市にあるピッコロシアターまでは兵庫県をほぼ横断することになる。JR西日本が誇る時速130キロの新快速を使ったものの、到着したのは午後7時過ぎ。遅刻して奈落に降りていくことになった。
 奈落では、発泡チームは引き続き井戸の成形中。ところが、発泡チームは全員が来ているものの、ワゴンチームは欠席者多数。ということで、今回もまたワゴンチームにレンタル移籍。というか、すっかり本格移籍してしまったのかも…。まあ、いいけど。
 この日は大物パネルの仕上げのお手伝い。状況が分からないので、言われたとおり色塗りをしたり、釘を打ったり。今回、担当者は基本的に2人1組になっているのだが、相方がいないためにとまどっている様子もあった。「逆に2人でやっているから、自分で決められない部分もある」と誰かが言っていたが、確かにそう言う部分はあるのだろう。一方、今回私は(プランニングに関しては)完全に独立系のため、相方に気を遣わなければ行けないしんどさも、あるいは相方がなんとかしてくれるだろうという安心感もなかったりする。
 ともあれ、後から来てくれた人の活躍もあり、無事完成。少しずつ形ができあがって来つつある。かなり順調なようで仕上がりが楽しみになってきたのでありました。

22.2.24 卒業公演道具製作(予備日)
 夕方にちょっと案件が入り、少しだけ遅刻。この日はまた発泡チームに復帰して、今度は石段の発泡スチロール加工に入る。みんな発泡スチロールまみれだが、あれだけ汚れてしまえば逆に怖いものはない。泥遊びと同じかも。みんなでわいわい言いながら、子どものように楽しんでいた気がする。
 ちなみに、この作業はみんなで取りかかっていたのだが、細かく少しずつ削る人、大まかな形を削ってから細かく修正する人、バールでどんどん削る人など、個人個人の性格が非常に良く出ていて楽しい。私自身は、中間派よりは少し大胆な方かな?
 この発泡スチロール削りもあと1日ぐらいでほぼ終わりそうな勢い。いくら後かたづけのめんどくさい作業であっても、いざ終わりに近づくとちょっと寂しい気もするのでありました。

22.2.25 卒業公演道具製作(予備日)
 本来ならば1日年休をもらって作業したかったのだが、前日の案件処理で出勤。ところが思いのほか早く解決してしまったため、急遽午後から年休を取って作業に合流。合流前に、某スパゲッティ屋さんで季節限定の「牡蠣のクリームソーススパゲティ」を食べる。普段学校が終わってからでは絶対に売り切れなので…。牡蠣も大きくおいしかったが、それほどの取り合わせの妙は感じられず。「セコガニのペペロンチーノ」ほどの感激はなかったかも。
 さて、授業時間外の作業はひたすら最後の発泡スチロール加工。ひたすら石垣を作る。大きな石の方が立体感を出すのが難しいことがよく分かる。ちなみに、複数人数でやることの欠点でもあるのだが、一度自分で「これでOK」と思っていても、他の人がいじってしまうことが多々。先生に直していただいたところを、さらにいじられてしまったりとか。若干、趣味の問題でもあるので、仕方ない部分もあるのだが…。
 そして授業時間中は、いよいよ色つけ。役者さんが触れる部分には紗(薄い布)を貼りつつ、色を塗っていく。素の発泡の時には岩っぽく見えているところがそれほどでもなかったり、一方でつるんとしているように見えたところが岩っぽかったり…。なかなか奥が深い世界の様子。こうした舞台仕事に限らず、仕事というのは何事もそうなのだろうが。
 装置も大枠は見えつつあり、いよいよ卒業という言葉が現実になってきた。「来年はどうする?もう1回美術コースに行く?」など卒業後の進路の話などもぼちぼちと聞こえてきて、いよいよそういう時期なのでありました。

22.2.26 通し稽古+転換練習
 私は、この日は授業時間から。道具がいよいよ舞台へ。この時期に道具が上げられるのは卒業公演としては珍しいらしく、順調な製作状況のたまもの。美術コース生と先生方に感謝。まだ全ては完成していないものの、舞台上に実際に並べられると問題点なども良く分かるし、演出家の意見も聞けるし、製作者としてはそれなりの感慨も。
 今日の授業時間中は製作は一時お休みで、本科の通し稽古の見学+転換練習(というか、転換方法の確認)。本科の稽古を見るのはほぼ初めて。これまで一緒に楽しく遊んだりしていた人々が、すっかり劇中の人物になって動き回っているのは何か不思議な気分。もちろん上手い下手はあるのだが、それでも1年弱でここまで「役者」になってしまうのはすごい。もちろん膨大な練習量を積み上げての結果とは思うが、人間の成長力ってすごいなと妙に感激する。振り返ってみれば、私自身もほとんど知らないところから1年間でここまで来たわけで、「学校」というシステムの凄さを改めて思い知った気もする。
 机の上や模型ではそれほど大きく見えなかった装置も、いざ舞台に並べてみるとなかなかの迫力。特に3場〜4場の盛り上がりと転換は、つい目頭が熱くなったほど。そして、その転換作業には美術コース生も参加。一応とはいえ、舞台に上がることとなった。それなりの衣裳も貸していただけるそうで、それも楽しみといえば楽しみ。
 あと1週間と2日とはいえ、まだまだ新しい出会いと発見が続いている。明日はいわゆる「小屋入り」の日。なんとなくみんなヒートアップしがちな雰囲気なので、ちょっと冷静になって周囲の安全に気をつけながら、なんとか最後の転換まで走りぬけたいなと思ったのでありました。

22.2.27 道具仕込み
あと6日 土曜日。この日は朝からかな…と思っていたのだが、午前中は照明と音響の仕込みということで、早昼を取ってから、12時集合。ちょっとのんびりだな…と思っていたら、逆にぎりぎりの到着となる。
 この日はまず提灯のつり込み。照明コース生が作ってくれたコードをバトンに取り付けていく。単純な話なのだが、コードがみな同じに見えてちょっととまどう。ただ、ああいうのは慣れてくると早い。まだ高さは決めていないものの、なかなかに綺麗。今後が楽しみ。
 提灯をつった後は、奈落でワゴンの手直し。先生から指導してもらって、木材にハイライトを入れたり、岩に影を入れる。ほんのちょっとの手直しなのだが、雰囲気が全く変わっていくのにはビックリ。多少、筆を入れすぎの感もあるが、逆に入れれば入れるほど古っぽい雰囲気が出てくるという側面もあるようである。
 早めに夕食休憩が入り、美術コース男子で近くのスーパーへ夕食を買いに。トンカツ巻きを食べる。その後は、奈落に降りて、なんとなくだらだらと入口ロビー展示の話し合い。道具がほぼできあがっていることから、正直、完全に気が抜けている。例年はこんな事はないらしいが、大半の道具を発注したことと、コース生の人数が多い(11名)ことから、こういう事態になってしまった模様。まあ、余裕があるのは悪いことではないのだが、正直テンションが保てないという弊害が。
 奈落のホワイトボードには、「公演まであと6日。卒業まであと7日」との標記。卒業までの後には涙顔マークも書いてあって、とってもほほえましい気分になってしまったのでありました。

22.2.28 道具仕込み・転換練習
 やることとの無くなってしまった美術コース。この日の集合はなんと午後4時。多少の追加作業はあったのだが、それでも午後1時集合。あいかわらずのんびり。
 午後からは追加での岩作りとロビー展示。私はロビー展示へ。中間発表会で作った木箱を中心に、かげ段だの箱馬だので台をつくっていく。黒い布をかぶせると、まるでこのために作ったかのように立派な展示台に。雰囲気も悪くない。あとは11人分の模型が乗るかどうかだが、それはまあ、やってみてのお楽しみと言うことで…。背景画実習のパネルも綺麗に繋がり、準備万端である。
 午後4時からは転換練習。どうも美術コース生の動きがだらだらしていたらしく、おしかりを受ける。確かに、最初に見たとき「こんな大きな装置を動かすのは大変だな」と思っていたのだが、正直妙な慣れもあり、だいぶ気がゆるんでいた部分もある。今後本番に向かって役者さんはどうしてもテンションがあがってくるわけで、安全には十分に配慮しないと。
 この日は演出家からさまざまなダメ出しが出る。道具が完成していると、どうしても欲が出るという部分もあるのだろう。その手直しなどが、来週の主な仕事になる見込み。
 この2日間、「これから卒公!」という意気込みと「することがあんまり無い」というのんびり感が、お互い空回りしておりとっても疲れた。月曜は休館日で休みなので、すこしゆっくりしたいなあという気分になったのでありました。

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