第七の謎

なぜ、松美池にはアヒルがいるのか?


 第六の謎を書いたあと、ある筑波大生N氏より次のようなメールを頂いた。

--(Mr. N)------------------------------------------------
 筑波学生新聞で、かつて、「ほんとに除籍か?」という特集を組んでいたことがありました。その記事によると、松見池の鯉を釣って、洗いにして食べてしまったそうです。でも、それをやった人たちは無事卒業したそうです。
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 おそらく「松見池」は「松美池」の間違いであろう。第一学群棟前にあり、昼休みや夕方は学生の憩いの場となっているあの池である。たしかにあの池も筑波大学の一部であり、そこの鯉を食べたのにおとがめなしというのは、おかしい。そこで、私は極秘裏に調査を開始した。その結果分かったのは、想像以上の筑波大武装化計画であった。以下に私の返事を載せておく。


--(ISOBE)------------------------------------------------
 それはそうでしょうね。
 実は「松美池」というのがミソなのです。本文にもわざわざ『第二学群と第三学群の間にある池の鯉』とあるとおり、松美池に関しては別に除籍になりません。
 なぜなら松美池にはもっと別の使命があるのです。

 松美池のループ側に半地下式の「実験廃水処理施設」というのがあるのをご存じでしょうか。ここは表向き、化学実験などで使った実験廃水を処理する施設ですが、実際には化学兵器の開発・保存ができるようになっているのです。筑波大内部での白兵戦になったとき、化学兵器というのは非常に役に立つはずです。
 「実験廃水処理」としておけば大量の化学薬品を買っても怪しまれないし、たくさん薬品などが保管されていてもまあ納得してしまいますよね。

 そういえばあの731部隊も表向きは「防疫給水部」という名前でしたね。隠れ蓑にするのには都合がよいのでしょうか。

 半地下式になっているのも、敵の攻撃を避けるためです。上空から見るとこの施設はテニスコートにしか見えないのです。

 このような化学薬品の保管製造の上で一番問題となるのはいうまでもなく製造者や研究者の安全です。そのために様々な対策がとられているのですが、さらに万全を期すために、松美池に生体センサーを置くことにしたのです。これが松美のアヒルとコイです。
 オウム真理教の強制捜査の際のカナリアのように、生物体が毒物を関知する能力というのは非常に高いのです。また長期にわたる毒物の影響や、生体濃縮の可能性についても検査することができます。ときどき松美池のアヒルが増えたり減ったりしているのは、検査の度に少しづつ解剖されているためです。

 松美のコイを食べた人々は、むしろ自ら実験台になったも同然です。大学側としてはむしろ喜ぶべき事だったのではないでしょうか。おそらく彼らの健康状態については、保健管理センターが十分な追跡調査をしているはずです。
 はたして、今彼らが変な病気にかかっていないか、もっといえば、今生きているのかどうか....非常に心配です。

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 今後とも、筑波の謎を解明するため、さらなる情報提供をお願いしたい。

 



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これはフィクションです。おそらくフィクションだと思うのですが...。
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