黒部ルート見学会の歩き方

番外編：黒部ルート見学会の歩き方
おすすめ

普段絶対に入ることのできない、日本最大級の水力発電所・黒部川第四発電所を見学！
鉄道マニア垂涎の関西電力専用鉄道（上部軌道）に乗車！高熱隧道も体感できる！
普通は上級登山者でしか見ることのできない、黒部峡谷の景色も楽しめる！
黒部峡谷鉄道から立山黒部アルペンルートというゴールデンルートの設定も可能！

留意点など

黒部ルート見学会は抽選に当たらなければ、行くことができない。近年は５～１０倍程度の競争率。
- 私は2回目の応募で当たりました。1名だからかもしれませんが、ラッキーでした。競争倍率は、開始当初は異常に高く、その後落ち着いたものの、中島みゆきの紅白出場で跳ね上がり、最近また落ち着いたそうです。
平日開催である。
- 2008年度は月・水・木・金でした。勤務者のことも考えて月曜や金曜を増やしてくれているようですが、完全に現役の輸送ルートのため、なかなか見学者の都合だけでは動かないようです。
富山県・長野県在住者（のうち一部）以外は前泊か夜行列車の使用が必要。
- 宇奈月駅7:57発とか立山駅7:20発とかに間に合う必要があります。季節によっては、夜行列車や夜行バス到着でも間に合うのかもしれませんが、いずれにせよ強行軍です。
参加できるのは小学校5年生以上。歩行や乗降に支障のある人も無理。
- 実際に参加しましたが、確かに各輸送手段は工事関係者用にできており、（配慮はしていただいているものの）決して乗りやすくもなく、乗り心地も良くないです。さっと行動できない人は相当しんどいと思います。
往復はできない。一方通行のみ。大きな荷物の持ち込みも不可。
- 物理的にリュック１つぐらいが限界のため、長期旅行を伴う場合、荷物の移送方法などを考えなければなりません。私は富山駅のコインロッカーに1泊させました。
参加費無料。（逆に、ペットボトルのお水をお土産に貰える。）
- 非常にありがたいことです。ただ、ここにたどり着くまでに多かれ少なかれ、かなりの交通費や旅費を使わざるをえませんが…。

出発地比較

　黒部ルート見学会申し込みの際に、出発地を選択しなければなりません。これが悩みどころで、どんどん山を登っていくという真っ当な「欅平出発コース」にするか、倍率の低そうな「黒部ダム出発コース」にするか、はたまた「どちらでもよい」として当選を狙うか、非常に迷ってしまいます。
　私は今回、「どちらでもよい」として「黒部ダム出発コース」に当たりました。やはり「黒部ダム出発コース」のほうが当たりやすいのかもしれません。
　参加するまでは、なんとなく逆だなあと思っていたのですが、行ってみると「黒部ダム出発コース」にもそれなりの利点があることがわかりました。特にインクラインや発電所内での説明が上部軌道の先になること、夏には足の心配をしなくてもよいことは大きな利点だと思います。また、室堂に泊まって、人の少ない室堂を散策するとともに、下から団体が上がってくる前に黒部ダムまでたどり着いてしまうパターンは非常にお勧めです。（みくりが池温泉ならば、さほど高くもないですし、料理もおいしいですよ。）
　下に簡単に比較してみましたので、ご参考まで。

	黒部ダム出発コース	欅平出発コース
簡単に言うと	下りコース	上りコース
前泊地	信濃大町か室堂（季節によっては立山駅周辺）	宇奈月温泉（黒薙温泉、鐘釣温泉も可）
ハイライトは	上部軌道・仙人谷	黒部ダム
黒四見学時間	1時間10分（昼食含む）	40分
インクライン内のビデオ説明	黒四発電所や上部軌道の前	黒四発電所や上部軌道の後
見学会後は	黒部峡谷鉄道を下る。鐘釣温泉・黒薙温泉への立ち寄りも可能。	立山黒部アルペンルートに入っていくか、扇沢に抜けるか。
見学会後の交通手段	黒部峡谷鉄道の予約をとってくれるため、帰りの座席の心配をする必要がない。	昼間のまっただ中に着くため、黒部ダムからどちらに行くにも予約団体でいっぱいという危険性あり。
他への立ち寄り	集合時間が遅いため、室堂出発であれば、黒部平や黒部ダムの観光も楽しめる。	集合時間が早く、宇奈月温泉泊の場合、黒薙や鐘釣での途中下車は不可能。
競争倍率	やや低い（2008最高の11/7出発で7.2倍）	やや高い（2008最高の8/29出発で11.5倍）
総合評価	黒部ルートのハイライト・上部軌道が最後にくる。インクライン内や発電所内で十分な説明を受けているため、感激もひとしお。 →玄人向け。鉄道マニア向け。	最後に黒部ダムを見て、「やっとここまでたどり着いたか」という感激を味わうことができると思う。放水時はなおさらでは。 →一般向け。

リンク

黒部ルート見学会のご案内［関西電力］
- 何といってもこの見学会は関電さんの協力なくしてはありません。写真撮影役を買ってくれたり、自作の説明資料があったりと、東京ディズニーランドを彷彿とさせるほどのサービス精神でした。こうやってインターネットができるのも電気のおかげ。これからも大切に使っていこうと思います。
黒部ルート見学会（富山県地域振興課）
- 平成8年度からこの見学会が始まったのは富山県からの強い要請があったからとのこと。危険なところも多い中、交渉は難航したことが容易に想像できます。この見学会自体、ひとつの大きなプロジェクト。富山県にも感謝して、見学会参加の折はぜひ富山県側に宿泊しましょう。

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