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ポーランド:花束とアイスクリームの国へようこそ!
5日目(9月22日)「クラクフの日本人」

ルート

(車中泊から)―クラクフ中央駅―(ポーランド国鉄・普通)―ヴィエリチカ・レナック駅―★ヴィエリチカ岩塩抗◎地下食堂―ヴィエリチカ・レナック駅◎ケバブ―クラクフ中央駅―(トラム)―★日本美術・技術センター“マンガ”館―(トラム)―クラクフ中央駅―ホテル―クラクフ中央市場広場散策◎バルで食事―ホテル(Grand Hotel泊)

※凡例: ★入場・体験観光 △外観観光 ◎食事

写真など

快速列車無事到着 ヴィエリチカ駅行き電車 八百屋さん
ポズナンから約8時間でクラクフに到着。1等車とはいえ、慣れない海外での夜行はやはり疲れる。あと、日本人にはコンパートメントは苦手だな…。 ヴィエリチカ駅には近郊電車で。バスとの競争があるのか、きっぷ代がネットで調べた定価よりも安かった。列車の側面にも「●●まで何ズロチ」との広告が。 ヴィエリチカ駅横の八百屋さん。残念ながら買えないが、とても野菜が安い。変わったものとしては向日葵の花の部分だけを売っていた。どう食べるのかな。
ヴィエリチカ岩塩抗 岩塩採掘の様子 塩水
駅から岩塩抗までは徒歩10分ぐらい。ずっと標識があるので迷わずに行ける。チケット売り場などはこの右手にある。朝一番だったので、まだ人が少ない。 ガイドさんの後ろについてひたすら木製の階段を下り、岩塩抗の中へ。当時の採掘状況を表した人形も。日本の佐渡金山のように動いたりはしていなかった。 見ているだけでは単なる岩なのだが、坑内を流れる地下水はさすがに非常に濃い塩水。私もちょっとだけなめてみたが、若干苦みのある塩水だった。
聖キンガ礼拝堂1 聖キンガ礼拝堂2 ヨハネパウロ2世像
圧巻なのがこの聖キンガ礼拝堂。聖キンガとはこの岩塩抗の発見に関わった王女で、岩塩抗の守護聖人のこと。部屋にあるもの全てが塩で出来ている。 シャンデリアもキリスト像も祭壇も壁も床もすべて塩で出来ている。抗夫たちが休憩時間などに作ったものらしいが、本当に素晴らしい芸術作品になっている。 礼拝堂の中には前のローマ教皇ヨハネパウロ2世の岩塩像も。彼はポーランドの生んだ現代最大の英雄に間違いない。至る所に像や写真が飾ってあった。
地底湖 世界遺産 地底レストランで
地底湖の様子。非常に静かで、生物のいる感じが全くしない。塩分濃度が濃いので泳いでも浮くのだろうが、あんまりそういう気分にもなれない。 この岩塩抗は1978年に第1号の世界遺産として登録された12か所のうちの一つ。他には、ガラパゴス諸島やイエローストーン国立公園、クラクフ歴史地区など。 ガイドツアー解散後、地底レストラン(喫茶店)で朝食兼昼食をとる。ジューレックスープ&パン。おそらく人生の中で最も低いところで食べた食事の気がする。
帰りのエレベータ ケバブ アイスクリーム禁止
地下からは一気にエレベータで地上に戻れるが、これが歴史もので、あまり乗れず、速度も遅い。前に修学旅行風の団体がいたため、結構待たされてしまった。 列車に乗り遅れたため、ヴィエリチカ駅横の公園でのんびり。駅前のケバブ屋が人気だったので、1個買って食べてみる。これがまたすごいボリューム。 クラクフまで戻ってきて、マンガ館に向けトラムに乗車。トラムの中に「アイスクリーム禁止」の表示が。日本では考えられない。さすがポーランドの国民食。
マンガ館1 マンガ館2 ヴァヴェル城
マンガ館ではポーランドの日本美術コレクター故フェリクス・マンガ・ヤシェンスキ氏が収集した浮世絵や着物、根付などを展示。国営マンガ喫茶とは大違い。 建設には日本も協力したらしいが、それをずけずけと書いてしまうのは日本人的美徳からどうかと…。労働組合委員長や大使って、個人名まで出したいんかな…。 コレクションの内容自体は日本でもなかなか見れないほど高レベルで非常にお薦め。裏がヴィスワ川で、ヴァヴェル城の写真をとるだけでも訪れる価値あり。
ガレリア・クラコフスカ ガレリア前のロボット Grand Hotel
ワルシャワと同じく、クラクフ駅前にも巨大なショッピングセンター「ガレリア・クラコフスカ」が。本屋やカルフールも入っており、英語もほぼ通用するため、大変便利。 ガレリア前ではJUSTUS警備会社のロボットが警戒中。とはいえ、いたずらされないように警備員が遠くから見張っているので、実質的な意味はないかも…。 クラクフの、そしてポーランド最後の宿はGrand Hotel。地球の歩き方では最高級ホテルらしいが、歴史は感じるものの、それほど宿泊代も高くなかった。
Grand Hotel客室 バルで夕食 夜の聖マリア教会
ホテルの部屋は縦に細長く、天井が異常に高い。各室の大きさもそれぞれに違うようであり、そのあたりにアメリカンタイプのホテルにはない歴史と味を感じる。 店を探しまわる元気も無かったので、地球の歩き方に載っていて、ホテルからも近いバル「ゴズポダ・フライドゥシャ」で軽めの夕食。やはりスープがおいしい。 食後はふらっと夜の中央市場広場へ。ホテルが中心にあるとこういうときは便利。ちゃんとした観光は明後日にして、この日はとっとと睡眠をとることした。


旅のメモから

・ポズナン駅には、本来の到着時間よりも早く列車が到着していた。乗り込んだところ意外と混んでいたが、コンパートメントの進行方向通路側といういい席を見つける。2等車は若い人で混みこみの様子。1等に変更しておいてよかった。コンパートメント内は親切そうな老夫婦と若い男性。
・レシュノで若い男性がおり、母娘が乗ってくる。ここからなぜか、室内が異常に暑くなり、寝苦しくてなかなか寝られない。と、老夫婦のご主人が適当に窓を開けたり閉めたりして調節してくれる。ありがたいが、窓を開けると寒すぎ、閉めると暑すぎるので結構苦労していた。トイレの水が流れず、かなり汚れていて、ちょっと困る。一応1等車だというのに…。列車内の注意書きなどは数ヶ国語で描かれているが、英語はなく、ロシア語、ドイツ語、ポーランド語などとなっている。外観は綺麗に塗りなおしているが、おそらく共産主義時代のかなり古い客車なので、いろいろと不都合もあるのだろう。
・今度はヴロツワフ駅で、2等車の方からまた大騒ぎ。せっかくうとうとしていたのに起こされる。ちょっとした衝撃もあり、どうも列車が連結された様子。ただ、ヴロツワフからは結構寝ることができ、無事クラクフ駅へ。久しぶりの客席夜行列車は正直、かなり疲れたかも。段々こういう旅行はしんどくなってきているなあ。
・クラクフ駅では慌ただしく、約30分で、コインロッカーに荷物を預け、切符を購入し、トイレを済ませ、ATM(バンコマット)でお金を下ろす。無事、ヴィエリチカ行きの列車に乗車。昨夜の睡眠が足らないのでちょっと寝たかったのだが、そんな間もなく20分ぐらいで着いてしまう。
・ヴィエリチカは郊外ののんびりした街。駅前の八百屋さんも色とりどりで綺麗。朝食がまだだったので、道で売っていたベーグルを買ってちょっとつまんでみる。ゴマと小麦の風味が合わさって、なかなか美味しい。カトリック国は食にうるさいと良く言われるが(イタリアも、フランスも、スペインもカトリック。一方、プロテスタントなのは、イギリス・ドイツ・オランダ・チェコとか)、道端で売っているパンですら美味しいとは。
・岩塩抗はガイド付きで64ズロチ。さらに写真撮影で+10ズロチ。すべてガイド付きで約1時間半かかること、その規模、保守点検の難しさなどを考えれば仕方ないとも言えるが、現地の物価から見るとかなり高い観光料金。
・これらの造形物は単に観光のためでなく、大半は岩塩抗で働いていた人たちが作業の無事を祈って作ったというのがすごい。地底湖の静けさもまた、普通ではできない体験。また、塩の殺菌効果により、今でもサナトリウムとして使われている区画があるらしい。たしかにずっと中にいると、なんとなく空気が違う気がしてくる。
・ガイドツアーは一番低いところ(地下約130メートル)のホールで終了となり、そこからは自由行動となる。お腹もすいたので、地下食堂で朝食兼昼食をとる。おそらく人生の中で最も低いところでのお食事。メニューは、ポーランドの味噌汁ともいうべき、ジューレックスープ(ソーセージ入り)。周囲の雰囲気もあって、何だかとてもおいしい。地下は涼しいのも良い。
・ちなみに、地下には博物館もあり、同じチケットで見ることができるらしいが、昨日の夜行列車で疲れてしまっていたのでパスして出口へ。ところが、地下から地上に戻るのは非常に古い二層式のエレベーター1台のみ、中学生か高校生かの団体がいてなかなか出ることができなかった。列車にも乗り遅れ、1時間弱、駅で待つはめに。でも、天気も良く、ヴィエリチカ自体落ち着いた感じの街なので、まだまし。駅横の公園で、ケバブなどを食べつつ、時間をつぶす。
・このままホテルに行くとまず寝てしまいそうなので、荷物をクラクフ中央駅に置いてから「日本美術・技術センター“マンガ”館」へ。美術館なら涼しいだろうし、あまり人が多そうなところも嫌だったので。たまたまこの日は入館料無料の日であった。コレクションは写楽や北斎、安藤広重に歌麿と言った本当に素晴らしいもの。なかなか日本でも、これほどの作品を一気に見ることはできない。日本人も訪れる価値大ありである。
・解説で「日坂」と「岡崎」が逆になっていたり、紀伊水道が日本海に通じていたりと、ちぐはぐなところがあるのはご愛敬。まあ、日本でアラビアの作品を扱ったとしても、そうなってしまうのだろう。ともあれ、こうやって日本文化に触れることができる美術館がポーランドにあるというのはありがたいことである。
・クラクフ中央駅に戻り、ホテルまで徒歩で。石畳なので、カートを引くのが非常にしにくい。やはりリュック仕様に替えておけばよかった(今回のかばんはカートにもリュックにもなるもの)。
・今回のホテルは1860年創業の歴史的なホテルらしい。そのためか、増改築を繰り返しているようで、部屋までの導線はぐちゃぐちゃ。部屋も決して広くないが、天井だけは異様に高い。決してアメリカンホテルのように実用的ではないものの、これも、いかにもヨーロッパといった雰囲気があって結構好き。想像どおりホテルに入ったら、寝はしなかったものの、シャワーを浴びたのち、ぐだぐだとしてしまう。
・食事はホテル近くのバル「ゴズポダ・フライドゥシャ」で。「地球の歩き方」に出ているため、一人旅らしい日本人の女の子も。変わった肉があったので頼んでみたが、ハンバーグだった。ちょっと拍子抜け。でも、結構おいしい。
・食事後、夜の中央市場広場を散策。今回のホテルは街のほぼど真ん中なため、夜の街歩きには最適。中央にある織物会館(繊維取引所)は現在改修中。1階のお土産屋街は半分がもともとの場所で営業し、残り半分は屋外の仮設店舗で営業している。お土産物は琥珀や木工品、手芸品、ガラス製品など。あんまり買って帰るものがない…。ポーランドにいる間にできるだけお土産を買いそろえないといけないのだが…。
・さすがに疲れていたので、この日は早めに就寝。と、なぜか大学院時代の夢を見る。自分の中で精神的に一番つらかったのがあの時期かもしれないなあと、当時を思い出しつつ、クラクフの夜は更けていったのでありました。

今日の泊まりは「Grand Hotel(クラクフ)」


今日のお買いもの(1ズロチ≒35円)

・コインロッカー 8ズロチ
・クラクフ中央駅の有料トイレ 2ズロチ
・クラクフ←(往復)→ヴィエリチカ 6ズロチ
・ベーグル 1ズロチ
・ヴィエリチカ岩塩抗入場料 74ズロチ
・岩塩のお土産 23ズロチ
・ファンタオレンジ 2ズロチ
・地下レストランで食事 12ズロチ
・ケバブ 9ズロチ
・クラクフ市内トラム(2回) 5ズロチ
・マンガ館でおみやげ(クラクフの昔話・絵葉書) 23ズロチ
・ネスティーレモン 3ズロチ
・ミネラルウォーター1.5リットル 5ズロチ
・クラクフ駅でソフトクリーム 3ズロチ
・バルで食事 23ズロチ
合計 199ズロチ のこり△62ズロチ+ATMから引き出し400ズロチ(338ズロチ)


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