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(概況) 日本の縮図・兵庫県とはいえ、若干の出超なんですね。やはり阪神間から大阪への流れが大きいのでしょう。またその他の県境を見ても、兵庫県側が大きな吸引力を有しているようなところが見当たりません。逆に、新温泉町→鳥取や、南淡路市→徳島など、出ていくほうが多そうです。(久美浜→豊岡という線はありますが、いかんせん、どっちも人口が少なすぎる気が…。) (個別の感想) 1位 社町(115.5%)、2位 福崎町(112.4%)、4位 東条町(104.5%) いずれも中国自動車道の巨大インターチェンジを抱える内陸の町であるという共通項を有しています。中国道により工場等が立地、自動車で近隣町から人が集まってくる、一方で神戸や姫路に通うにはちょっと遠く自町から出ていく人は少ないという循環が働いているのでしょう。さらに、社町には国立兵庫教育大学が、福崎町には近畿医療福祉大学があり、その学生さんたちの影響というのも大きい気がします。東条町は、ゴルフ場とおもちゃ王国と釣り針ぐらい? ちなみに、社町、東条町、滝野町(11位 99.6%)は合併して加東市となりましたが、完全な「強者連合」であり、つぎの2010国調でも県内ナンバーワン間違いないでしょう。 3位 洲本市(108.0%)、5位 姫路市(104.2%)、6位 豊岡市(102.2%) このあたりは県民局も置かれている、名実ともに地域の中心的な都市です。豊岡市は若干低い気がしますが、これは大合併後の数値だからでしょう。旧豊岡市は相当高かったと推測できます。また、違った意味で旧城崎町も高かっただろうなあと思います。 7位 西脇市(102.1%)、9位 養父市(100.6%) 前の3市には劣るものの、そこそこの中心性は果たしている都市です。前者は「播州織」の産地。後者は旧山陰道の宿場町であり、円山川を使った物資の集散地でした。 8位 神戸市(101.8%) 大都市の意地というか、100%超です。個人的な印象ですが、灘区・東灘区で大阪に逃げた分を、明石市や加古川市からの流入分で埋めている気がします。 15位 家島町(97.8%) 結構、本土に出ている人がいるんですね。ここも姫路市に吸収合併されてしまいました。 17位 高砂市(97.4%)、19位 相生市(96.5%) いわゆる重厚長大型産業の立地する町ですが、意外と低めです。重厚長大産業では特に少人数化が進んでいるので、大規模な工場があること=従業員が多いことではないのでしょう。 22位 尼崎市(96.1%) ここもものづくりの街ですが、重厚長大型産業というよりは、若干小規模な企業の立地も多いです。阪神間の中ではもっとも昼間人口が多い都市です。北部(塚口など)は完全に大阪のベットタウンですし、最近JR尼崎駅前のマンション建設も進んでいることから、これからも比率は落ちていくのではないかと想像できます。さびしい気もしますが、これでやっと尼崎は他の阪神間の市と(良くも悪くも)歩調を合わせたと言えそうです。 26位 赤穂市(95.2%)・27位 香美町(95.1%) このあたりが兵庫県平均です。いずれの町も独自の伝統と文化を誇り、その反面、閉鎖的な印象もあるので、若干意外です。赤穂は新快速の終点でもあり、姫路や高砂に働きに出る人も多いのでしょうか。香美も旧香住町からなら豊岡に働きに出ることが可能です。 35位 三田市(90.2%) 完全に大阪のベットタウンのイメージしかないのですが、意外や意外、結構高い率に収まっています。「三田テクノパーク」とかで大規模な求人があるのでしょうか。「神戸三田プレミアム・アウトレット」は神戸市内のようですが…。 44位 安富町(82.5%)、46位 夢前町(79.9%)、50位 香寺町(77.3%) いずれも姫路市に吸収合併されました。正直、この率では仕方ないとも言えます。 47位 宝塚市(78.4%)、48位 川西市(78.2%)、49位 芦屋市(77.7%) 近郊住宅地として阪急などが開発したベットタウンであり、このあたりが一番低いのは想定の範囲内です。しかし、芦屋でも3/4ぐらいの昼間人口がいるのですね。高齢世帯が多いのか、お手伝いさんの就労などがあるのか、警察学校の学生さんが多いからか…。 51位 大河内町(77.2%) 揚水発電所のある電源立地の町であり関連雇用があるのかとおもいきや、意外なほどの低さです。周辺に大都市があるわけでなく理屈付けに苦しみますが、2位の福崎町あたりに流れているのかもしれません。結局、神崎町と合併して「神河町」となりましたが、昼間働く場所がそもそもないのであれば、いくら電源立地交付金があっても合併は不可避だったのかもしれません。 52位 猪名川町(73.5%) 日生中央駅のある日生ニュータウンを抱えるベットタウンです。旧村部は全く雰囲気が違いますが、やはり率で言うと、ニュータウンに完全に引きずられるのでしょうね。 |
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(概況) 神戸市は本当にいろいろ、その幅は兵庫県全域以上に大きく振れます。 (個別の感想) 1位 中央区(243.1%) 堂々の一位、ですが意外と低い気もします。私の職場(中央区)では課内17人で中央区在住者は1名ですから、もっと高い率かと思っていたのです。都心回帰で元町や新神戸あたりに高層マンションが増えてきているのに加えて、HAT神戸脇の浜やポートアイランドなど、そこそこに大規模な住宅開発がなされていることが、意外に低い理由かもしれません。経年比較や他都市との比較もしてみたいところです。 2位 兵庫区(125.6%)、3位 長田区(101.5%) いずれも町工場の多い区ですが、兵庫区は川崎重工車両カンパニーなど大企業も多いことが長田との差かなとも思います。また、長田はまだまだ震災の影響を色濃く残しており、その影響が微妙な数字に出てしまっている可能性があります。ここも震災前との経年比較がしてみたいところです。 4位 灘区(98.4%)、5位 東灘区(94.3%) 勤労者のほとんどは大阪方面か三宮(中央区)方面に向かっていると思うのですが、神戸大学・松蔭女子大学・甲南大学・神戸薬科大学など、大学生の通学も非常に多い地域です。また、六甲アイランドには独特な外資系コミュニティも出来上がっています。地震で減ったものの、まだまだ工場地域も健在です。意外なほどに昼間人口が高いのには、在住者である私もびっくりしました。 6位 西区(92.8%) ここもベットタウンの割に高いのですが、これは神戸市が地下鉄の利用客の分散などを狙い、あえて西神に大学や工場を誘致した結果であり、それほど意外ではありません。そのおかげで、地下鉄西神・山手線は地下鉄経営の優等生とも呼ばれます。ただ、交通局全体でみると、海岸線のつけはあまりにも大きいようですが…。 9位 垂水区(74.0%) 猪名川町に匹敵する低さです。確かに地図を見ても、従業員が多そうな大規模な工場や、学生が沢山いそうな大学が見当たらない…。逆にそれが住みよい住環境を作りだし、ますますベットタウン化したのかもしれません。そう考えると、率が低いのも一概に悪いとは言えなさそうです。 |